【製品レビュー】Wahoo SPEEDPLAY ZERO (ショートインプレッション)

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先日タイムからワフースピードプレイにペダルを交換したのですが、気がつけば500km程走りましたので、この辺りでファーストインプレッションをまとめてみたいと思います。

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Wahoo スピードプレイゼロ ショートインプレッション(500km走行)

1. Wahoo スピードプレイゼロ ショートインプレッション

比較対象としては、これまで使っていたタイムの XPRESSO4 となります。
うにうに動く独自の機構が膝に優しく、着脱も楽でとても良いペダルでした。

(1) 装着のし易さ

これはもう別記事にまとめた位で、最初はとにかく固いです。

これ、返品対象にしても良いのでは!?と思うくらい、くっっっっっそ固いです。
正直、他人にお勧めできないくらいの衝撃的な固さでしたね。

500kmほど走り、今ではようやく馴染んできましたが・・・。
現状がこんな感じです。

  • 着脱回数の少ない右足側は、まだまだ固い。最初バイクにまたがり、ブレーキをかけた状態で右足に全体重をかけてようやくハマる。まだまだ「走りながら」ではハマってくれない固さ
  • 着脱回数が増えてきたこともあり左足はもう少しマシ。信号からのリスタート時、サドルに腰かけてペダルを回しながら左足を思いっきり踏みつけると「ばちんっ」と音をたててハマってくれる

初期の頃はスタンディングで全体重を左足にかけないとハマりませんでしたが、今はサドルに座ったままでもハマってくれるようになりましたので、ようやくストレスを感じることなく、普通にライドに出かけられるようになってきました。

ここまできてようやく、ではあるのですが、ペダルの裏表関係ないというスピードプレイの特性が活きてくるようになってきました。

タイムのペダルは片面キャッチタイプになりますので、信号からのリスタート時はクリート先端でペダルをひっかけるようにして表面にハメる必要がありました。
慣れてくるとスムーズにできる動作ではあるのですが、ライド終盤ヘロヘロになってくると、「あれ?、今表面、裏面どっちだっけ?」と分からなくなることもあり、ついつい足元を確認したりしていました。

スピードプレイは、クリートの形状がペダルをすっぽり囲い込む形状ということもあり、クリートキャッチは超絶スムーズ。
まず失敗することがありません。

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タイムのペダルだと、うまいこと表面を探り当てたとしても、微妙に左右の位置がズレていたりすると、ぐいぐい踏んでも微妙にハマってくれない時があったりするのですが、スピードプレイの場合、丸い穴にかぽっ、とペダルが収まりますので、上下左右の位置合わせが簡単にできてしまうんですよね。

とにかく、「ぐいっ」と強く踏み込むだけでクリートキャッチができてしまいます。

固くてハマらないという特大のストレスがありましたが、ある程度馴染んでくると「こいつは楽ちんだわ」と評価が真逆に変わるのが面白いですね。

走行距離 500km だと、まだ微妙に固さが残っているのでまだ100点満点をつけることはできませんが、現時点で「90点はつけても良いんじゃない?」「タイムのペダルよりはクリートキャッチは楽になったかも?」と思える位の高評価にはなってきました。

(2) 外し易さ

これはタイムと比べると明らかに固いです。
ただ、独自のC型形状のスプリングの特性でしょうか、クリートを外そうと踵を外側に捻ると、とってもスムーズな動作でクリートが外れるようになっています。

タイムのペダルや、SPDペダルでは、クリートを外す時には「力技」で外す感じでした。
外す力そのものは弱くて済むのですが。

対してスピードプレイの場合は、外す時にそこそこ力は必要となるものの、スプリングのバネ感が手伝ってくれるのか、「ぐりんっ」とスムーズに踵が回転してくれる為、外し易いです。

よっぽど、SPDペダルで固定力を強くした状態の方が、タイムのペダルよりも「外しにくい」と感じました。

これは興味深い結果になりました。

(3) 固定力

固定力は文句なし、ですね。
タイムのペダルは独自のフローティング機構で「うにうに」と動く感じがありました。
ただ、ペダリングしている間はがっちり固定してくれるんですけどね。

スピードプレイは、タイムのペダルのように左右に動くことはありませんが、左右 15°までは回転するようになっていますので、クリートを中心に踵を外に広げたり内側に入れたりと、ある程度の動きはありますが、上下左右にはがっちり固定してくれますので固定力としてはタイムペダルよりも「がっちり感」を感じることができます。

私程度の週末ローディーでは、どんなに激しくもがこうが、何かの弾みで外れるなんてことはありえないでしょうね。

(4) 歩き易さ

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歩き易さは、タイムのクリートと比べると「はるかに歩き易い」です。
クリートカバーが台形型になっていることもあり、歩くときの「足裏の異物感」がタイムと比べると少ないようで。

SPDなんかと比べてしまうと、これまた比較にもならないほど SPDの方が歩き易い、という結論にはなりますが、スピードプレイのクリートだったら、ちょっとした観光だったり輪行くらいなら試してみても良いかも、と思えますね。

2. Wahoo スピードプレイならではの特徴

過去に使用したペダルと比較してきましたが、スピードプレイ「ならでは」の機構についても触れておきたいと思います。

ちなみに今まで触れてきた点についても、公式サイトでは、両面クリートキャッチできる点について「デュアルサイドエントリー」と謳っていたり、ラバーを採用したスリムなクリートによる「歩行性の向上」と謳っていたりします。

(1) クリート取り付け位置調整のし易さ

スピードプレイは、3軸による調整機構を備えています。

 

スタンダードテンションクリートは靴底に装着する際、前後、左右、振り幅をそれぞれ個別に調整することができます。フロート角度は0~15度の範囲で微調整することが可能です。

 

実際に使ってみて、この調整機構は本当に便利でした。
やはり、実際に乗ってみると初期設定通りだと違和感があり、前後、左右のクリート取り付け位置を微調整することになったのですが、この際に左右のQファクター調整だけを単独で実施できたり、左右の位置は変えずに上下の取り付け位置だけ調整してみたりと、ここの取り付け位置を単独で実施できるのがとても便利でした。

初期セッティングでは、最も踵寄りに取り付けていましたが、もう少し母指球寄りにした方が力をかけ易くなることが分かりましたので、ほんの少しつま先寄りに再調整しています。
その際、右足の方が左足よりも僅かにつま先寄りにしています。
左右の足の大きさの違いによるものですが、この辺りの微妙な前後調整がとてもやり易いんですね。

例えばタイムのクリートだと、前後位置を調整しようとすると、どうしても左右だったり斜めだったりと微妙に位置が動いてしまう為、再設定後の違和感が「前後位置が変わったことによるものなのか」「その時に微妙に動いてしまった取り付け角度によるものなのか」が分かりづらくなったりしていました。

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また、タイムのトリートだと左右のQファクター調整は二択でした。
(左右のクリートを入れ替えることで調整が可能)

スピードプレイだと、左右の取り付け位置も微調整が可能となります。

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(2) 回転フリーフロート(膝に優しい)

タイムのペダルは独自のフローティング機構で「足を固定し過ぎない」ことで遊びが生まれ、結果的に膝に優しいとよく言われています。

 

SPEEDPLAYペダルは、最大15度のフロート角度を確保し、ヒールがペダルの中心を旋回できるようになっています。足、下腿、膝の可動域が広がるため、ペダリングが快適で効率も高まります。

 

スピードプレイも、独自の調整機構により、フロート角度が広く設定可能となっています。

スピードプレイの場合、前後・左右の取り付け位置さえある程度追い込むことができれば、ペダリング中の雑な動きはこのフローティング機構がある程度吸収してくれるようで、タイムペダルほどではありませんが、膝には優しいかな、と思います。

SPDペダルの場合、クリートの取り付け位置の追い込みが非常に難しい(前後左右、角度ともに自由に動いてしまう為)のと、タイムやスピードプレイに比べるとこの辺りのフローティングの自由度が低いこともあり、膝には最も優しくないペダルだったな、と思います。
歩き易さはSPDがダントツなんですけどね。

(3) 低スタックハイト(ダイレクトな踏み心地)

スタックハイトは脅威の11.5mm。
スピードプレイ専用のシューズを選択すると、8.5mmまで低くできるそうで・・・。

タイムのペダルが13.5mmということで、タイムに変更した当時は「何このダイレクト感!?」と感動したものですが、スピードプレイは更にその上を行きました。

とはいえ、タイムからの変更でしたので、「スピードプレイの方がダイレクト感が更に高いぜ!」というほどの感動感はありませんでした。

タイムの時と同じように、めっちゃダイレクト感があるな、という感じでしたね。

個人的に、スピードプレイ公式の売り文句が興味深かったです。

 

低スタックハイトによりパワー伝達が向上し、サドル高が低くなることで空気抵抗の低減も図れます。

 

なるほど。

スタックハイトが低くなると、自然とサドルも下げることになります。
例えば、タイムからスピードプレイに変えた場合、サドルは 2mm下げることになります。

すると空気抵抗も小さくできるぜ!ということですね。

自動車なんかも、エアロスタイル!とか追求すると、低床・低重心になりますしね。

ま、その通りなんでしょうけど、2mmだしなー・・・。
実際、どれくらいの空気抵抗削減につながるんですかね?

3. サマリ

ということで、現時点でのサマリとなります。

  • 最初はあまりのクリップインの固さに「なんだこのクソペダル!!」と投げ捨てたくなったが、ペダルが馴染んできた今では「両面クリップイン可能って素晴らしい!」と思えるように
  • タイムと比べると歩き易さに感動。僅かな差ではあるものの、個人的には大きな差だった
  • クリート位置の調整がし易い為、「位置調整を繰り返すうちに頭が混乱して何が何だか分からなくなってしまう」という沼にハマらずに済む(SPDペダルでは何度も沼にハマりました)
  • 但し、信号からのリスタート時、ペダルを回しながら軽い力でクリップインできていたタイムペダルって、やっぱり素晴らしいな、という思いも

現時点では、不満点よりも満足な点の方が大きい為、まずは楽しく乗っています。
このまま1年くらいは使い続けて、タイムのペダルに戻すのか、引き続きスピードプレイを使い続けるのか、色々と悩んでみようかと思います。

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