日本国内ではあまりその存在を知られていないガーミンのサイクルコンピューターがあります。
その名も Garmin Edge Explore。
2018年に発表されたサイクルコンピューターなのですが、結局最後まで日本国内では発売されることはありませんでした。

価格こそ249ドルとかなりコスパの良いサイコンだったのですが、Stravaセグメントとの接続ができなかったり、パワーメーターとの接続ができなかったりとかなり限定的な機能だったこともあり、ハイスペック志向の日本マーケットでは受け入れられないだろうと判断されたのですかね。

そんなガーミンから、この度後継機となる Edge Explore2が発表されました。

さて、今回は日本国内で発売されるのでしょうか?







■ レクリエーションライダーをターゲットにガーミンから新製品が発売(Garmin Edge Explore2)



1. そもそも Edge Explore とは何なのか

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公式サイトより拝借

Edge Explore が発売されたのが Edge1030 が発売された翌年となる2018年。
ナビ機能に特化して、トレーニング関連の機能を削除することでお安くした機種でした。
また、シマノのeバイクシステムである「SHIMANO STEPS」にも対応したことから、eバイクも含めたレクリエーショナルライダーを念頭に置いたサイクルコンピューターとして位置付けられていました。

ただ、冒頭でも述べたように、日本国内では最後まで発売されることはありませんでした。

デジカメ業界でもそうですが、海外マーケットでは「不要(オーバースペック)な機能を削除したバージョン」を少しだけお安くして販売する手法が結構取られています。

それが「お得」だと感じるんでしょうね。

他方、日本マーケットでは「あとちょっとお金を積めばフルスペックが買える」と考える人が多いのでしょうか、中途半端なラインナップは敬遠される傾向にあるんでしょうね。
生活家電なんかだとそうでもないようですが、趣味の製品に関しては「妥協せずに金を出す」傾向が高いのかもしれません。 



2. Edge1040 vs Edge Explore2

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公式サイトより拝借




DC RAINMAKER というサイトの記事で詳細な比較
がされていますが、旧機種からの変更点や主要機能は以下となっています。


  • Edge 1040と同じユーザー・インターフェースに刷新。
  • 無料でダウンロードできるグローバルサイクルマップを追加(コンピュータ経由でUSB接続が必要)
  • 気圧高度計を追加
  • USB-Cポートに変更
  • Garmin ClimbProの追加
  • パワーメーターとの接続に対応
  • スマートトレーナーとの接続に対応
  • Garmin inReach衛星に対応
  • eBikeとの各種接続を追加/拡張
  • eBikeの専用ページを追加
  • アクティビティプロファイルは3つのみ
  • VO2Maxと回復時間(リカバリータイム)に対応
  • フィットネス年齢と強度(分)を追加
  • 定電力用の下側電源ピンを追加(Edge Explore 2 Power Bundleモデルのみ)
  • ガーミン社製RCT715レーダーカメラに完全対応
  • 旧機種となるGarmin Edgeセンサーのスムーズな移行を実現(セットアップ時)
  • スマートトレーナーコースライドオプションを追加(以前のライドやコースを走行することが可能)
  • ナビゲーションモードで24時間使用できるバッテリーセーバーオプションを追加(ただし、ナビなしのGPSライド時間は最大34時間)
  • Garmin Connectアプリからデータページ/データフィールドを設定する機能を追加
  • デバイス上のGarmin Connect IQ App Storeの追加
  • バイクアラーム機能を追加
  • 通常のGPSのバッテリー時間が12時間から16時間に増加
  • Garmin Connect IQ対応
  • ストレージは16GBで変更なし
  • 3インチ、240x400pxの従来と同じカラータッチスクリーン
  • 重量は104g、防水性能はIPX7に対応
  • 価格は249ドルから299ドルへ値上げ

こうやって並べてみると、普段よく使う機能がきっちり追加されてきたように見えますね。


それでは、最新の Edge1040 からダウングレードされているポイントを並べてみます。


  • Edge1040とは価格は300ドル違う( 299ドル vs 599ドル)が、Edge530とは同額
  • Edge 1040の方がディスプレイが大きい
  • Edge 1040には、ソーラー・オプション(749ドル)がある。
  • Edge 1040は、下側に電源ピンがある(Edge Explore 2は、Power Bundleモデルのみ)
  • Edge 1040は、Strava ライブセグメントに対応(Edge Explore 2は非対応)
  • Edge Explore 2にはありませんが、Edge 1040は、最適化されたワークアウトをの提案機能がある
  • Edge Explore 2にはないマルチバンドGPSに対応
  • Edge Explore 2では3つのプロファイルしか使用できない
  • Edge 1040は、さまざまなトレーニング負荷と回復の測定基準を備えている
  • Edge 1040は、リアルタイムスタミナ機能に対応
  • Edge 1040は、パワーガイド機能に対応
  • Edge Explore 2はWiFi非搭載だが、Edge 1040はWiFi同期が可能
  • Edge 1040は、オープンなANT+ギアシフトをサポートし、独自のShimano Di2シフトもサポートします。
  • Edge 1040は、スマートウォッチを使った拡張表示モードに対応
  • Edge Explore 2には「ゲストモード」があるが、Edge 1040にはない(誰かが設定を変更することなくユニットを使用することが可能)

どうでしょうか。
Strava に対応していない点がマイナスと受け止める人は多いのではないでしょうか。
私的には、パワーメーター導入時に最も欲しかった「リアルタイムスタミナ機能」が Edge1040 で追加された点を非常に高く評価していますので、その点がないのは残念。

ただ、今はスマホのナビ機能を使っている人や、パワーメーターを使っていない週末ローディーにとっては、Edge Explore2 は必要にして十分な機能を備えていると見て間違いなさそうです。 



3. Edge Explore2 インプレッション

幾つかのサイトで早速ショートインプレッションが上がってきています。

個人的に分かりやすかったサイトの記事をピックアップしてみました。

  • 300ドルでこれほど多くの機能を備えていることは衝撃的
  • 自分は普段からパワーメーターを使っているパフォーマンスライダー(レースにも出るよ!というタイプ)である為、正規化パワー(NP)が見れない点は残念だが、パワー値(3秒間平均)は確認可能
  • Stravaのセグメントがないのは残念だが、時としてわしく感じることもある機能であり、ないならないであり
  • ナビゲーション機能を重視する人、大きく見易いディスプレイが欲しい人には最適な選択肢
  • セットアップも簡単で、携帯電話のアプリをインストールする必要もない
  • 2つのオプションが用意されているが、外部バッテリーやeバイクと接続する為の電源ピンが備わったバージョンは、多くの人には不要な機能だと思う
  • Explore 2は、後方から接近する車を検知できるガーミン Varia に対応しているが、これは多くの人にとって素晴らしい大きな安全機能である
  • カジュアルなローディーに十分な機能が備わっているが、シリアスレーサーが必要とする機能が全て備わっているわけではない
  • タッチスクリーンでなく小さな画面だが Stravaのライブセグメントに対応した Edge530か、大きくてタッチスクリーン対応の Explore2 が良いかは悩ましい選択肢になる

こうやって比較してみると、レース志向のシリアスローディーでない限りは、Edge530 よりはより大きなディスプレイを備えた Explore2 の方が良いのではないかと思います。

ただ、実際の日本国内マーケットからすると、普通にEdge530 をアップデートした Edge540 を投入した方が圧倒的に売れそうな気はしますね・・・。


そう考えると、Edge Explore2 は今回も日本マーケットには投入されない可能性も。

もっとスポーティーなeバイクが普及してくれば、この辺りは変わってくるのでしょうか。
さてさてどうなるか、楽しみに見守っていきたいと思います。




 



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