スマートウォッチの心拍センサーの精度について
ロードバイクはあれやこれやとセンサーに囲まれたスポーツだったりします。
スピードセンサー、ケイデンスを計測するためのジャイロセンサー、加速度系、コンパス・・・etc
そんな中の一つに心拍センサーもあるわけですが、私も自転車に乗り始めた頃は胸にベルトを巻き付ける、いわゆる「乳バンド」を使っていました。
その後ガーミンのスマートウォッチを購入してからというもの、腕で心拍を計測するように。
個人的には気に入ってガーミンのスマートウォッチを使い続けていますが、今日はそんなスマートウォッチの心拍計の精度についてのお話となります。
肌色がスマートウォッチの精度に与える影響
スマートウォッチの光学式心拍センサーは、基本的には皮膚を構成する3つの層のうちの一番外側にある表皮のすぐ下にある毛細血管を流れる血液量の変化を測定しています。
その為、毛細血管の測定を邪魔する「何か」があると、測定精度は落ちてしまうことになります。
社会的にも問題になった要素の一つに「肌の色」が与える影響があります。
肌の色の原因であるメラニンは、特定の波長の光を吸収してしまうため、肌の色が濃い人の測定精度が落ちる傾向にあります。
有名な話として、米国では Apple Watch が集団訴訟に槍玉に挙げられていたしります。
- Apple Watch のアプリは肌の色が濃いユーザーが用いた場合に精度が低くなる
- 血中酸素濃度が低く計測されることにより、90%近いデータが不正確で使い物にならない
指先で血中酸素濃度を計測するパルスオキシメーターは、透過光を用いて計測する仕様ということもあり、腕で計測するスマートウォッチよりは精度が高いそうですが、スマートウォッチに何をどこまで求めるんだ、という話なんですけどね。
最悪のケース(リスク)として、コロナ渦のようなパンデミックが発生した際に、有色人種ほど血中酸素濃度が低く計測され、大規模なトリアージが発生した際には白人ばかりが優先されることになる、という主張もあるそうで。
一昔前なら鼻先で笑い飛ばすような話でしたが、コロナ渦の世界的な混乱を目の当たりにすると、あながち笑い話では済まないかもな、とも思ってしまうことあり。
翻って。
上記は心拍センサーというよりは血中酸素濃度を計測する際の話になるわけで、ローディーへの影響はどのようなものがあるのでしょうか。
が気を付けることがあるとするなら、こんなところでしょうか。
bikeradar の記事にまとめられているので、そちらからガーミンUKのプロダクトマネージャーの発言を引用するとこんな感じ。
- ガーミンのスマートウォッチはすべての肌色で動作するように設計している
- 他方、体内のメラニンレベルが上昇すると、センサーは脈班を見つけるために光の輝度を上げてより強く動作されなければならなくなり、結果としてバッテリーの減りが早くなる可能性がある
- 肌の色にもよるが、同時に計測精度への影響もありうる
- 同じような話として、タトゥーが入っていると、インクのパターンや色の彩度がセンサーに届く光を遮ってしまう為に、精度が落ちる可能性がある
かなり正直に語ってくれているようですが、バッテリーライフが減る、精度が落ちる可能性がある、という話になりますね。
日本人の肌の色程度であればそこまで影響はないのかもしれませんが、「夏場で真っ黒に日焼けした時」であれば、それまでよりも心拍精度が落ちる可能性がありそうですね。
ジョギングやマラソンのように「上下動」が大きなスポーツだと、腕での心拍計測精度に影響があるようですが、その点自転車は腕をぶんぶん振り回しませんので、「腕で固定されている限りは」そこまで心拍精度を気にする必要はないそうです。
一般論として「肌の色が影響を与える可能性がある」という話は聞いていたのですが、「バッテリーへの影響がある」というのは初めて知りました。
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