シマノのお膝元でもある日本にいるとあまり耳馴染みがないのですが、Rohloff のハブを電子化に切り替えるアップグレードキットが発表されました。
メンテナンスフリーで有名なRholoffハブを電子化するキットが発表(Rohloff E14 Solo)

自転車界の最高峰のテクノロジーが集結する国際展示会「EUROBIKE 2026」にて、ひときわ異彩を放ち、審査員からも絶賛され「GOLD AWARD」を獲得した革新的なプロダクト。
ドイツの老舗ブランドRohloff(ローロフ)が発表した電動ハブギアシステム「E14 Solo」。
「メンテナンスフリー」の代名詞である伝説的な14段内装変速ハブが、ついに通常のスポーツバイク向けに完全なスタンドアロンの電動シフトとして進化を遂げました。
ハードル高いけど、これでツーリングに出たい・・・。
そもそもRohloffとは?
Rohloff(ローロフ)は1986年、ドイツ中部カッセルにて、バーバラ&バーンハルト・ローロフ夫妻によって設立された会社ですので、なかなかに歴史のある企業となっています。
その哲学はいかにもヨーロッパらしく、「使い捨てトレンドへのアンチテーゼ」。一時的な流行ではなく、数万km〜数十万kmをノーメンテナンスに極限まで近い状態で走り続けられる、驚異的な長寿命と品質を追求する職人気質で有名です。
歴史のある企業あるあるですが、頑なに「Made in Germany」を貫いており、パーツのほぼ100%をドイツ国内の厳選された約150のサプライヤーが製造し、本社で熟練の職人が手作業で組み立て・検査を行っています。
創業時に発表したロードバイク用の超ナローチェーン「SLT 99」は、当時の世界最高峰の変速性能と圧倒的な破断耐性を誇っていました。 その品質の高さから、Campagnoloが自社の最高級コンポーネントの純正チェーンとしてOEM採用していた時期(1989〜1993年)もあります。ツールドフランスを制したグレッグ・レモンなどのレジェンド選手たちの足元を支えたのも、このローロフ製のチェーンでした。
Rohloffの今につながる14段内装変速ハブ(SPEEDHUB 500/14)
チェーン製造で得た資金を元手に、ローロフがすべての情熱を注ぎ込んで開発・特許を取得し、現在の地位を決定づけたのが14段内装変速ハブ「SPEEDHUB 500/14」です。

開発のきっかけは1994年、ローロフ夫妻がツールドフランスの現場を訪れた際、フランスの海岸の砂浜をマウンテンバイクで走った際に細かい砂を噛んだ外装デレーラーが完全にロックして動かなくなった経験から、「どんな過酷な環境でも絶対に壊れず、一瞬で変速できる内装ハブが必要だ」と確信したからだそう。
ほんと職人気質ですよね。
内装ハブなんてママチャリでしか使ったことがないのですが、Rohloffの内装変速ハブをママチャリと同列に語ってはいけません。
外装ギアに匹敵する効率とレンジ
内装変速の弱点だった「重量」と「摩擦抵抗」を極限まで減らし、駆動効率は外装デレーラーとほぼ変わらない95〜99%を達成。さらに、ギヤのステップ(変速幅)がすべて「13.6%刻み」で均等に並んでおり、総ギヤレンジは526%とフロント2速×リア11速の外装ギヤに匹敵するレベル。
それを「内装」で実現してしまうのですからすごいっす。
走行距離10万kmを超える圧倒的な耐久性
密閉されたハブ内部のギヤはオイル漬けになっており、必要なメンテナンスは「年に1回(または5,000km毎)のオイル交換」のみ。
世界一周をするような冒険家たちが「砂漠や秘境で機材トラブルで死にたくなければローロフを選べ」と口を揃える理由がここにあります。
日本だと外装変速のシマノが一般化してしまっていますし、Rohloffの内装ギアを採用しようとすると、ホイールから組み上げる必要もありハードルが高いわけですが、耐久性、信頼性を求める自転車乗りからは高い評価を受けている製品となっています。
「Rohloff E14 Solo」の主な特徴
前置きが長くなりましたが。
これまでもRohloffの内装ハブで電動変速に対応している製品はありましたが、基本的にBoschなどのE-Bike での利用を前提としており、E-Bikeのモーターとシステム連携することで電動変速を実現していました。
これに対して今回の「E14 Solo」は、その名の通り単体(Solo)で完結するシステムとして生まれ変わっています。
E14 Soloはスマート化の波にあえて逆らう「脱アプリ」「脱クラウド」の製品となっています。
現代のコンポーネントはスマホアプリ連携やクラウドデータ、ログイン機能などが定番ですが、E14 Soloはこれらを一切排除。ユーザー登録や複雑な初期設定の煩わしさから解放され、純粋に「確実で素早い変速」というコア機能に特化しています。
フラットバー用のトリガーシフターはもちろん、TRP製シフター等との連携により、グラベルロードやロードバイクに用いられる「ドロップハンドル(ブレーキ&シフト一体型レバー)」にも完全対応。
また、外装ディレーラーとの違いという点でわかり易いものとして、停車状態でも一瞬で変速が可能となっています。信号待ちなどで完全に停止している状態からでも、ボタン一つで瞬時に任意のギヤへと変速できます。
製品の主な仕様

E14 Soloシステムは、信頼の「SPEEDHUB 500/14」をベースに、外付けの電動変速ユニットとバッテリー、シフターで構成されています。
「革新的」と評価されたポイント
過去30年間のすべてのRohloffハブを電動化できる「究極の後方互換性」

今回出展されたEUROBIKEの審査員がもっとも高く評価したポイントがこれ。
完全な後方互換性を実現しています。
過去30年に製造・発売されたすべてのハブに後付け可能。
これって、えげつないですよね・・・。
E14 Soloの電動制御メカニズムは、ハブの「外部」にマウントする構造になっている為、過去30年間に製造されたすべてのRohloff Speedhubユーザーが、このシステムを買い足すだけで愛車を最新の電動シフトへとアップグレード可能。
電動変速なんてこれっぱかしも考えていなかった時代の製品であっても、後付けで電動化できてしまうなんて、考えられないっす。
「新規格が出たら買い替え」が当たり前の自転車業界において、製品を長く愛するユーザーに寄り添った製品となっており、これを「革新的」と呼ばずに何を革新と呼ぶのか。
まさにドイツらしい製品ですよねー。
グラベルシーンにおけるメカトラブルからの完全解放
これは、そもそものRohloff製品に共通するメリットではありますが、グラベルがメジャーシーンに躍り出た現在にまさにマッチする製品となっています。
リアデレーラーを排除し、強固なハブ内部に変速機構を閉じ込めることで、泥詰まり、転倒によるデレーラーハンガーの破損、チェーン外れといったトラブルが文字通り「ゼロ」になります。
さらに、超高速な180msの電動シフトが組み合わさることで、過酷なグラベルレースや長距離のバイクパッキング(ツーリング)において、これ以上ないアドバンテージを発揮します。
製品化・発売の予定
気になる日本導入や発売スケジュールについて、現地での公式発表は以下の通りです。
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2026年(今年)後半〜:まずは完成車メーカー(OEM)向けに出荷が開始される予定とのこと
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2027年〜:一般ユーザー向けの後付け・載せ替え用キットとして、単体での市販がスタートする予定
そもそも日本でのRohloff内装ハブの入手性が高くなく、加えてホイールの組み替え、車体への組み付けとかなりハードルが高い製品となっていますが、長距離ツーリング車に組み込んで自転車旅に出る、みたいな使い方をしてみたい製品ですねー。
あー、自転車旅に出たい。

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