オープンイヤーイヤホンが各社から数多く登場するようになりましたが、黎明期に2万円近くしていたスペックや音質が、今では1万円を切る価格で入手できるようになりまして、本当に良い時代になりました。
今年になって使い始めた SOUNDPEATS GoFree2は、とても気に入ってしまい、今では仕事(テレワーク)でもロードバイクでも、第一線で活躍してくれています。
そんなSOUNDPEATSさんから、「今度新しく出るBreezyについても興味ありましたらサンプル提供できますよ」とのお声かけを頂きまして、ほいほい飛びつかせて頂きました。
今回は SOUNDPEATS Breezy のがっつりレビューとなります。
誰にでも合う万能型なオープンイヤーイヤホン(SOUNDPEATS Breezy)
そもそもSOUNDPEASTってどんなブランド?
こちらについては、前回の記事をご参照頂ければと思いますが、音楽界隈では昔から「コスパやべーな」と言われ続けているブランドとなります。
新しく発売されたSOUNDPEATS Breezy のサイトはこちら。
私のオープンイヤーイヤホン遍歴について
私がこれまでに愛用してきたオープンイヤータイプのイヤホンがこちら。
- エレコム LBT-ESP01
- AfterShokz TITANIUM
- AfterShokz Aeropex
- ambie TW-01
- Shokz OpenRun Pro
- Shokz OPENFIT
- Cleer ARC
- SOUNDPEATS GoFree2
耳は二つしかないんですけどねー。
有線イヤホンやヘッドホンとか、オープンイヤーではないワイヤレスイヤホンとか数え出したらキリがないですが、NO MUSIC, NO LIFE な人間なもので、とにかく「これは良いらしい」みたいな話を聞いてしまうと、あれこれと試してみたくなるんですよね。
例えば通勤中であればゼンハイザーの Momentum TW4 でワイヤレス、ノイズキャンセングなイヤホンを使いますし、自宅でリラックスタイムであればベイヤーダイナミクスのヘッドホンでがっつり音楽に集中したりします。
そんな私がオープンイヤーイヤホンを使う目的はこんな感じになります。
- ロードバイクで外を走る時
- ジョギングで外を走る時
- 自宅のリビングでサブスクの映画やドラマ、スポーツを見る時
- テレワークでWEB会議をする時
1日テレワークでWEB会議続きだったりすると、途中で充電切れを起こすこともあるので、複数台あるのは便利だったりします。
そんな使用目的において、ここ最近は SOUNDPEATS GoFree2 がダントツで使用頻度が高くなっていました。
オープンイヤーイヤホンの課題
オープンイヤーイヤホンならではの課題があります。
例えばインナーイヤー型のイヤホンであれば、耳の中でのフィット感を高める為にイヤーピースを交換することもあるかと思いますが、オープンイヤーイヤホンだと耳の外側にぶら下がる形になりますので、そういった課題はありません。
私が感じるオープンイヤーイヤホンならではの課題は以下の2点になります。
- 耳にかける「つる」の形状が、その人の耳の形状や使用環境にマッチしているか
- イヤースピーカーの位置がその人の耳の形状にマッチしているか
「つる」の形状
例えば私が「音質最強」と感じているCleer ARCは、つるが太目だったりします。
私の場合、メガネをかけた上から Cleer ARC を装着すると、「ギリギリ許容範囲」だと思っています。
耳の上がごちゃごちゃするので、つるの太さが気になる人はいるでしょうし、長時間使用していると若干の耳の痛みを感じる人もいるかと思います。
これが、つるが細かったり柔軟性の高い素材、耳あたりの良い素材だったりすると、その辺りのストレスを緩和することができますので、快適性を追求するにあたってはつるの形状はとても重要だと思います。
それでいて悩ましいのが、「唯一の正解」がないことでしょうか。耳の形状だったり、メガネをかけるか否かによって、人それぞれで変わるわけですからね。
イヤースピーカーの位置
これはその製品のポリシーにも関わると思うのですが、イヤースピーカーを耳のどの部分に被せるのかも大きな問題になると思います。
遠く離れた位置に置くよりは耳の穴に近い方が音圧を上げられるので音質的には優位だと思いますが、あまり耳を覆ってしまうような位置にしてしまうと外音の取り込みができなくなってしまいオープンイヤーならではの「環境音も聞きながら」という特性をスポイルしてしまうことになります。
これまた、使う人の好みによって正解が変わってくるポイントになりますので、何が正解かは製品それぞれのポリシー次第だよね、という話になりがちかと思います。
SOUNDPEATS Breezyに期待すること
新しくイヤホンを入手すると、どうしても音質が気になってしまうのですが、今回のSOUNDPEATS Breezy に関しては、これらオープンイヤーイヤホン「ならでは」の課題をどこまで解決してくれるのかが気になっていました。
なぜなら。
SOUNDPEATS Breezy はつるの部分の角度調節機能がついているからです。
似たような機能は、ライバルの Anker Soundcore V20i が実現していたりします。
さて、この辺りをどこまで製品としてバランスさせているのか、確認していきたいと思います。
仕様比較
まずはわかり易いところから。
比較対象は同じ SOUNDPEATSで現在愛用中の GoFree2 と、長らく骨伝導イヤホンでロードバイク含むスポーツ界隈で圧倒的な地位を築き上げてきた Shokz が投入してきたオープンイヤーイヤホンである、OpenFit。
Breezy | GoFree2 | OpenFit | |
ドライバー | 12mm | 16.2mm | 18×11mm |
コーデック | AAC/SBC | AAC/SBC/LDAC | AAC/SBC |
再生周波数帯域 | 20Hz-20KHz | 20Hz-40KHz | 50Hz-16Khz |
Bluetooth | v5.4 | v5.3 | v5.2 |
最大持続時間 | 10時間 | 9時間 | 7時間 |
ケース込み | 40時間 | 35時間 | 28時間 |
重量(片耳) | 8.43g | 8.95g | 8.3g |
重量(ケース) | 45.22g | 71g | 57g |
充電時間(イヤホン) | 1.5時間 | 1.5時間 | 1.0時間 |
充電時間(ケース) | 2時間 | 2時間 | 2時間 |
急速充電 | なし | なし | あり |
防水機能 | IPX4 | IPX5 | IP54 |
価格 | 6,680円 | 8,280円 | 24,800円 |
ざっと主要ポイントやスペックが異なる点について触れてみたいと思います。
音質に関わるスペックについて
まずは音質面から。
一般的に大きなドライバーの方が「余裕をもって」音楽を再生できますので、高音質化には有利。その意味では、OpenFit > GoFree2 > Breezy の順になります。
ただ、ハードスペックだけではなく、ドライバーの特性を活かしてどのように料理するかで最終的な音質は変わってくるかと思います。
続いて再生周波数帯域。
これも低音から高音まで、どこまで再生することができるかに関わってきますので、周波数帯域が狭いのは不利になります。
とはいえ、Bluetoothだと上は24KHzあたりまでになりますので、それ以上あっても意味はないのですが、それを踏まえても OpenFitは少し割り切りが大きいかもしれません。
他方、GoFree2 が採用するLDACコーデックは、40KHzまでの帯域に対応しますので、GoFree2 の帯域が広いのには意味があるわけです。
スペック上だけの話にはなりますが、GoFree2 は LDACにも対応しており音質へのこだわりがある、Breezyは無難にまとめている、OpenFitはドライバーサイズこそ大きいものの、ちょっと割り切りもありそう?と読めます。
Bluetooth のバージョンについて
見事に3機種ともBluetooth のバージョンが異なります。
ですが、実はイヤホンにとって意味のあるのは、バージョン5.3 に対応しているか否かだったりします。
以下、バージョン毎の主要な違いになります。
- Bluetooth 5.3:消費電力の節減に対応
- Bluetooth 5.4:双方向通信に対応
v5.4 は、音楽再生機器にとってはあまり大きな意味を持たないバージョンといっても良いかもしれません。
現に、v5.3 以上となっている SOUNDPEATS のイヤホンは、再生時間が伸びていますよね。バッテリー容量との兼ね合いもありますが、Bluetooth のバージョンによるところでもあるかと思います。
急速充電機能
これは Shokz OpenFit の最大の差別化ポイントかもしれません。5分間充電するだけで1時間再生することが可能になります。
実は、この急速充電機能に助けられたことは結構ありました。
朝から会議続きでイヤホンの充電が残り少なくなってきた時に、5分間のトイレ休憩を挟んでもらうフリをして、大急ぎで充電済ませたこともありました。
気になる人には気になる機能かと思います。
防塵・防水機能
防水機能に関しては、GoFree2 が頭1つ上になっています。
等級 | 保護の程度 | テスト方法 |
IPX4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない | 300-500mmの高さより全方向に10l/分の放水、10分 |
等級 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない | 3mの距離から全方向に12.5l/分の放水、30kpaの噴、3分間 |
普通に屋内で使う分にはIPX4あれば十分ですし、ジムで運動するくらいなら問題はないでしょう。
ロードバイクでライド中に雨にがっつり降られる、みたいなシチュエーションまで覚悟するなら、GoFree2が安心ですね。
他方、防塵機能に関しては、SOUNDPEATS の2機種は明確な等級を設定していないようですから、埃舞う環境の中で使いたいのであれば、Shokz の方が安心です。
外観レビュー
まずは外観から見ていきましょう。
ケースはとても小ぶりです。
イヤホン本体もそうなのですが、大理石模様のようなアクセントが効いており、ちょっとオシャレ感があります。
向かって左側がGoFree2のケース。一回り小さい感じですかね。
左右で意匠が異なっていますので、慣れてくるとどちらが右・左なのかが判別できるようになっています。
イヤホンの本体サイズも、GoFree2 よりも少し小ぶりですが、縦の長さは少し長めになっています。末端にかけて、つるがスリムになっていますので、イヤホン本体もとてもコンパクトに感じます。
いちおう同梱品がこちら。
謎のキャラクターシールがついてきます・笑
実使用レビュー
2週間以上時間がありましたので、日常のテレワークからライドまで、がっつり使い倒してみました。
(1) 装着感
これは装着する前から分かっていたことではありますが、何といっても軽量なことからつけ心地はとても軽快で快適です。
つるも細いですし、本体も小型軽量。
もう何も言うことはありません
(2) バッテリー保ち
最大持続時間10時間もあると、バッテリー切れまでケースに一度もしまうことなく使い続けることはほぼありません。
先日テレワークで朝から夕方までつけっぱなしで仕事をしたこともありますが、バッテリー切れを起こすことはありませんでした。
この日はわざと9時5時で付けっぱなしにしたのですが、通常ならお昼には外してケースにしまいますし、途中打ち合わせがない隙間時間があればケースにしまいますからね。
お仕事で使う限りにおいては、バッテリー保ちは十分な気がしています。
また、ライドでも最近は5〜6時間程度しか使わないことが多いですし、バッテリーに不安を感じることはありません。
バッテリーが7時間だと、「朝8時に家を出て15時まで」ということで、ロングライドだとちょっと心配になるケースもありますが、GoFree2の9時間、Breezyの10時間もあれば、私のような週末ローディーにはまったくもって問題なし、でしたね。
(3) 音量・音質
ボリュームレベルに関しては、GoFree2 も Breezy もほぼ同じでした。
iPhoneのMusicアプリでボリュームレベルが足りない、みたいな話にはなりませんね。
初期の頃のオープンイヤーイヤホンは、この辺りが若干不足するような商品もあったのですが、今は全く問題なしです。
音質については個人の好き嫌いが大きく影響する点になるので評価が難しいところではありますが、私の感覚ではこんな感じでした。
- Cleer ARC はフラット(若干かまぼこ型寄り)
- GoFree2は軽いドンシャリ
- Breezyはドンシャリ
といったところでしょうか。
Cleer ARC を聞いた後に GoFree2 を聞くと「おー、ドンシャリで元気なサウンドだー」と思うのですが、その後に Breezy を聞くと、「あれ? むしろGoFree2 はフラット寄りじゃん? Breezy こそドンシャリじゃん」と感じてしまうわけで、イヤホンって、ほんと比較対象によって印象は大きく異なってくるな、と感じます。
- GoFree2 でも十分低音の量感があるが、Breezy の方が低音の元気さがある。ボーカルに関しては Breezy の方が少し「引っ込む」感じがあるので、ボーカル大好きな人には GoFree2 が合うと思われる。
- 音の解像感は GoFree2 に軍配。多種類の楽器で構成される曲の場合、音の聞き分けは GoFree2 の方がくっきりはっきりしている。他方、3ピースバンドとかジャズトリオのように、楽器の種類が少ない場合は、一つ一つの楽器の元気さは Breezy の方が感じられる為、聞く楽曲によって向き不向きはありそう。
- 対応しているコーデックやドライバーユニットからも分かるように、GoFree2 の方が「余裕を持って」楽曲を鳴らしている。Breezy は精一杯、元気いっぱいにドライバを鳴らしている印象。
あまり深く考えずに、音質優先で無難に選ぶなら GoFree2にしておけば間違いはないと思うものの、ノリよく元気なサウンドが好き!という人であれば、Breezy の方が合うかも。
そして、これまた興味深い話になってきますが、ロードバイクのように風切り音、環境音ががっつりある中で音楽を聴くという環境だと、ノリよく聞ける Breezy は結構印象が良かったりします。
今日はのんびり走るかなー、という日は風切り音も少なくなりますし、GoFree2 が合う気がしますが、「今日は尾根幹をがしがし走るぜ!」みたいな日は、Breezyの方がテンポよく、楽しく聴けたりするので、「こちらが絶対」みたいな評価が下せないのも面白いですね。
(4) 操作性
操作性については、当然ですが GoFree2と同じ。
Cleer ARC | Breezy | |
停止・再生 | タップ | ダブルタップ |
スキップ | ダブルタップ | 長押し(右) |
一曲戻し | トリプルタップ | 長押し(左) |
音量アップ | タップ&長押し(右) | タップ(右) |
音量ダウン | タップ&長押し(右) | タップ(左) |
この操作性、結構気に入ってきました。
昔使っていた骨伝導イヤホンなんかだと、ボリュームは物理ボタンが別に用意されていたりしたのですが、タップ操作のオープンイヤーイヤホンだと当然タップ操作の中に統合される形になります。
で、音量調節は比較的「難易度の高い操作性」が求められるケースが多いんですよね。
ちなみにShokz の Openfit は潔くて、「音量調節はスマホでやってね」と言い切っていたりします。
私も以前はあまり気にもしていなかったのですが、GoFree2 で音量調節が簡単にできるようになると、意外とライド中の環境に応じて小まめに音量調節できるのが便利なもので、小まめに操作するようになりました。
静かな環境だと音量を下げることもでき、耳にも優しいんですよね。
あと、曲送りの長押しも、なかなかに操作性、反応性は良好です。
これまた槍玉にあげるみたいで何なのですが、Shokz の Opnefitは曲送りは3秒間の長押し。
屋内で使う分には良いのでしょうが、ジョギングや自転車でのライド中に3秒間の長押しは、ちょっとストレスフル。
操作性こそ、ある程度の期間使い続けてみないと、その良し悪しって見えてこないものですが、現時点においては、ジョギングやライドといったスポーツシーンも念頭に置くとSOUNDPEATS の操作性はベストだと感じています。
(5) 角度調整機能
そして、今回気になっていた角度調整可能。
私自身は、これまで使ったオープンイヤーイヤホンで、ドライバの位置が微妙でフィット感に困るといった経験はありませんでした。
ただ、総じてオープンイヤーイヤホンはわざとちょっとずらして装着してドライバーの位置を外してみると、途端に音質は「スカスカ」になりますので、装着感が合わない人にとっては結構「ジャストな位置にあるかどうか」「自分の耳の形に合うかどうか」は、通常のイヤホン以上に大きな問題だと思います。
ということで、どんな感じなのか試してみました。
おじさんの小汚い耳のドアップは気が引けますので、我が家のお嬢様にご協力いただきました。
まずこちらが GoFree2。
Breezy で装着位置を下よりにしたところ。
Breezy で装着位置を上よりにしたところ。
お嬢様に確認したところ、音がよく聞こえるのは、上寄りにした時のようです。
軽量化やコンパクト化を念頭に、イヤホンの形状を小型にしていくとぶち当たるのが、このスピーカー位置問題になりそうな気がしています。
小型化でスイートスポットが小さくなりがちなドライバーユニット位置に対して、角度調整機能を付け加えることで真に万人受けするイヤースピーカーを開発する。
良いですねー。
こういったマーケティング戦略、大好きです。
クーポンコード
今回のサンプル提供にあたり、以下クーポンコードも頂きましたので、興味ある方はご活用頂ければと思います。
クーポンコード:BRZYBKBLG12
割引:5%OFF
開始日:2024/10/14 00:00JST
終了日:2024/11/10 23:59JST
サマリ
特定の商品を褒める為に他の商品をけなす、貶めるというのはあまり好きなやり方ではありませんが、結果的に現在私がヘビロテしているイヤースピーカーは SOUNDPEATS GoFree2です。
Cleer ARC は間違いなく音質番長だと思っています。
Shokz Openfit は急速充電機能もありますし、防塵性もあるのでスポーツシーンで使いやすいという気軽さもあります。
でも、つけ心地や音質の良さ、端的には「使っていてストレスがなく、音楽を聴いていて一番楽しい」というのが、私が GoFree2 を愛用している最大の理由となっています。
そんな中登場した Breezy。
私の音質の好みが「フラット寄り」ですし、好んで使うイヤホンやヘッドホンは所謂「モニター系」ということもあり、GoFree2 の音質をとても気に入っています。
ただ、世の中のマーケットで多く見かける「元気の良いサウンド」「重低音重視」といった商品ラインナップの多さを眼にするにつけ、よく多くの人に受け入れられる音質は、Breezy なのかもしれないな、とも思っていたりします。
Breezy の方が少しだけお安いということもありますので、好みの音質傾向がドンシャリだったり、元気いっぱいな音楽が好き、みたいな人であれば、迷うことなく Breezy を選んでいただければと思います。
私のようにフラット傾向が好みの人であれば GoFree2 ですかね。
その他の操作性や装着感については、どちらも文句なしです。
角度調節機能が欲しい人は、迷わず Breezy ですね。
いやー、このレベルのイヤースピーカーがこのお値段で手に入るようになったとは、本当に良い時代になりました。
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