※2022年5月の記事に加筆(2022年11月更新)
ブログを書いていると、常に危険が潜んでいます。
春秋にちょうど良いウェアを探していたのですが、最初は「ちょっと気になった」位の軽い気持ちで色々調べて記事を書くわけですが、書いているうちにむくむくと物欲が刺激され、記事をアップする頃にはもう買う気まんまんになっていたりするんですよね・・・。
以前「七部丈タイツ(ニッカー)」に関する記事を書きました。
で、気づいたらポチッと購入してました・汗
ほんと、油断なりません。
■ カステリの春秋用ビブニッカー(Entrata ビブニッカー)をインプレ
1. カステリ エントラータビブニッカー
エントラータとはイタリア語でして、英語で言うところのエントリー。
エントリーモデルということですね。
エントリークラスのビブニッカー。膝下までの丈になっています。 カステリを初めて購入する方、サイクリングを初めてまだ間もない方におすすめです。
位置付け的には、パールイズミでいうところのサイクルロングタイツ、なんでしょうね。
ロードバイクを始めた時の最初の1本にどうぞ、という。
パールイズミも対応気温は15℃。
エントラータビブニッカーも10℃〜20℃ということですので、製品の位置付けはかなり近そうです。
以下が公式の謳い文句となります。
- 一日中走るようなロングライドにも快適なKISS Air2 シートパッド
- 程よいフィット感で筋肉をサポートし、透湿性の高いPro Dry matte Lycra®素材を使用。伸縮性も高い
- 完璧なフィット感を与えてくれる8パネル構造
- 脚の背面には安全性を高める反射素材
- 平らで着心地の良いGIRO3レッグバンドがズレを防ぐ
- 通気性の高いメッシュストラップ
- 適応温度:10度 – 20度
- 重量175g
2. サイズ感
今回購入したのは Sサイズ。
海外ウェアですので、国内ブランドと比較するとワンサイズ下を選ぶのが基本になりますが、カステリのサイズに関しては、各方面で「小さめ」「きつめ」というレビューが多いんですよね。
私は国内ブランド(パールイズミやカペルミュール)ではMサイズ、海外ブランド(dhb)だとSサイズがどんぴしゃ。
私は身長170cm、体重56kgになるのですが、ほぼ同じような身長・体重の方が Sサイズを選んで「ぴったり」というレビューがありましたので、今回は Sサイズを選ぶことに。
結果、本当にぴったりでした。
イメージとしては、国内ブランドでいうところの「MサイズとSサイズの中間」くらいですかね。
本当に余裕がない感じでぴったりですが、きついということはなく。
めっちゃエアロ性能に優れていそうです・・・笑
ではワンサイズ上のMにしたらどうかというと、それだとゆったり目になってしまうのかなー、という印象です。
Sサイズで正解なんだと思いますが、皆さんが「きつめ」と言っていたのが理解できた気がします。
なお、後日エントラータビブタイツを購入したのですが、冬用のウェアは少しゆったり着る方が好きということもあり、そちらはSサイズとMサイズを試着、比較したうえでMサイズを選んでいます。
同じブランドのウェアでも、季節によっても求める着用感は違うものだな、というのを実感しました。
3. パールイズミ コールドシェイドスパッツと比較
私が持っている七部丈タイツはパールイズミのコールドシェイドスパッツ。
コールドシェイドという夏向けの素材を採用していることからも分かるように、春夏向けのショーツを膝丈まで伸ばしたモデルとなりますので、季節の変わり目、涼しい時期向けということはなく、あくまでも膝上を日焼けしたくない人向けの夏用ウェアといった印象です。
私は真夏に履いてます。
それでは早速比較してみたいと思います。
(1) 生地
生地の表面。
上がカステリ、下がパールイズミとなります。
表面だけ見ると(色合いは別にして」大きな違いはなさそうに見えます。
裏地がこちら。
裏地を見ると違いが見えてきます。
どちらも起毛素材ではありませんので、一見するとかなり近い生地となっています。
カステリの方は表面同様きめの細かな生地となっていますが、パールイズミは裏地がもう少しざっくりした荒い生地となっています。
これにより、パールイズミの方が通気性が高くなっています。
肌触りはパールイズミの方がざっくりしていて涼しい着心地、カステリの方がしっとり感があり快適な着心地となっています。
この辺りが春秋向けのカステリと、夏向けのパールイズミの違いですね。
(2) 生地の厚み
触った位では分かりづらいのが生地の厚み・・・。
ほんの少しだけ、パールイズミよりもカステリの方が厚いかな?くらいの違いです。
生地をつまんで計測してみました。
つまんでいる関係上、2枚分の厚みになります。
まずはパールイズミのコールドシェイドスパッツ。
0.8mmでした。
続いてカステリ。
こちらは0.9mm。
生地一枚分だったら、0.05mmの違いですか・・・。
参考までに、パールイズミの冬向け(10℃帯)の裏起毛タイツも測ってみます。
1.1mm。
夏向けと冬向けでも、生地の厚みだけ比べたら1mm程度しか変わらないわけですから、厚みではなく、素材(起毛の有無、目地の細かさ、通気性)の違いが重要なんでしょうね。
(3) 縫製
今回面白いな、と思ったのが縫製の違い。
右がカステリ、左がパールイズミなのですが、パールイズミの方が生地の組み合わせが立体的になっています。
これによりペダリング時のストレスを軽減しているわけですね。
実際、生地の伸縮性はどちらも似たようなものでしたので、長時間ペダルを回し続けることを考えると、パールイズミの方が「動作を妨げない」という点では優れていそうです。
もう一つ注目すべきなのが裏地の処理。
パールイズミの方は生地と生地のつなぎ目を平面で丁寧に処理していますが、カステリはがっつりつなぎ目ができてしまっています。
結果的に着心地に大きな差があるのか?と問われると、履いてしまうとカステリの裏地の繋ぎ目が肌にこすれてストレスを感じる、みたいな話はありませんでした。
実際ストレスないなら同じじゃないか、という話なのですが、改めてパールイズミの丁寧な仕事っぷりを見せつけられた気がします。
パールイズミはもっと評価されても良いと思うんですけどね?
(4) 滑り止めの裾テープ
七部丈の場合、膝下〜ふくらはぎの上に裾位置が来ることになりますので、正直そこまで滑り止めである必要性は感じないのですが、いちおう見てみます。
ここはカステリの方が高級感がありますね。
カステリは裾部分全体を滑り止め効果のある生地にしてつなげてあるのですが、パールイズミは滑り止めテープを裏地に縫いつけています。
履いた時の自然な感じ、ストレスのなさはカステリの方が上でした。
(5) パッド
パールイズミはオールラウンドな3DR。
ライド時間5〜6時間くらいまでであれば、ロングライドで特に不満に感じたことはありませんが、どうしてもサドルに荷重がかかり易くなる3本ローラーでは、よりパッドの厚みのある3D MEGAパッドのベンチレーションパンツを履くようにしています。
カステリの KISS AIR2 パッドは一見すると パールイズミの3DRパッドに近いように思えるのですが、ぐにぐに触ってみると、もちもち感はカステリの方が上でした。
厚みこそあまり違いはないようなのですが、低反発な素材になっているようで、クッション性はパールイズミの 3DR 以上、MEGAパッド未満、といった印象です。
4. 実走レビュー
今年の春と秋、色々な気温帯で実際に着用してみましたので、レビューしてみたいと思います。
ちなみに、基本的には外でしか着ない予定ではありますが、カステリのパッドの実力を図る為に、3本ローラーでも使ってみました。
(1) 3本ローラーで3時間
先日3本ローラーで3時間、という苦行のようなトレーニングを行いました。
負荷はかけずに LSDトレーニングでしたので、サドルにかかる体重はどうしても多くなりがち。
結果。
このパッドすごい!!
KISS ARI2 パッドはパールイズミの3D MEGA パッドに匹敵しますね。
少なくとも 3DRよりはクッション性が高いです。
他方、3D MEGA は厚みがある分、どうしてもペダリング時にパッドの「もこもこ感」を感じることがありますが、KISS AIR2 パッドはペダリング中にあまりパッドの厚みを意識することはありませんでした。
このパッド、良いですねー。
で、まんまとインドアトレーニング用のビブショーツも購入してしまいました・汗
(2) ライドで4〜5時間
春〜秋にかけて何度もライドに着て出かけましたが、今ではかなりお気に入りのビブニッカーとなっています。
だいたい3時間〜5時間程度のライドになることが多いのですが、本当にカステリの Kiss Ari2パッドは優秀です。
もともとそのくらいの時間だと、パールイズミの3DRパッドでも問題はないのですが、カステリの KISS AIR2 の方がクッション性は高い気がしています。
低反発かつ必要最小限のエリアをカバーしている感じで、ペダリングをする際にパッドが邪魔をする感じもありません。
パッドの面積がパールイズミよりも小さめでありつつ、低反発で高クッション性、そしてもう1つ重要な点として体へのフィット感が高い、という点があります。
私はカペルミュールのタイツも愛用しているのですが、サイズ感がほんの気持ち大きめということもあり、のんびりライドには快適なのですが、お尻のパッドがお尻に張り付くようなフィット感がない為、5時間ほど乗っているとお尻とパッドが擦れて痛みが出てくるんですよね。
カステリのウェアは総じて「タイト」なフィット感だと言われており、今回購入したエントラータビブタイツもカステリ的には「コンフォートフィット」という扱いなのですが、明らかにタイトフィットになっています。
で、このタイトフィットがパッドをお尻にぴったり固定してずらさないこともあり、お尻とサドル(ウェア)が擦れることによる痛みがかなり出辛くなっています。
こりゃ快適です。
このパッド欲しさに冬用のビブも欲しくなってしまいますね。
このビブニッカーの対応気温帯はカステリ公式では 10℃〜20℃となっていますが、実際に使ってみた感じからすると、個人的には14℃以上が快適な気温帯かな、と思っています。
本格的なトレーニングで追い込むような走り方だと違うのかもしれませんが、のんびり週末ライド、みたいな乗り方だと10〜11℃は寒くてNG。
12〜13℃はある程度体が温まってきた状態であれば何とか耐えられますが、走り出しがこの気温だと、若干寒さが堪えます。
結局1時間ほど12℃の中を走り続けましたが、走り出しの1時間と割り切るのであれば、ギリギリ許容範囲かと思います。
まだ25℃以上の気温では着用していないのですが、そこまでいくと夏用のウェアに切り替えた方が良いと思いますので、14〜24℃あたりが快適な温度帯でした。
上の表は東京の気温と対比させた表になるのですが、こうやって見ると「平均的な暖かさの4月」「5月」「気温が上がりすぎていない6月」「10月」「最低気温がそこまで低くない11月」がカバー範囲となりますので、かなり着用期間は長いです。
以前はこの季節はパールイズミのサーモタイツ(15℃対応)を愛用していたのですが、さすがにパッドもくたくたになってきてもう限界。
ちょうど良い上位互換ウェアになってくれました。
コメント
カペルミュールのほうはウエイブワンの製品シリーズ名だから国内ブランドで合っていますが、パールイズミは米国メーカーです。起業は日本ですが、売却され、一度シマノが買い取ったのに先日また売却です。
おっと?
米国パールイズミは日本のパールイズミと別会社で、米国(海外)での独占販売権を取得しているだけではないですかね?
日本国内のパールイズミは、今も昔も変わらず国内企業かと。
https://maonline.jp/news/20080220a
日本のパールイズミの話で実態は米国スポーツブランドの傘下になっています。生産も米国からの指示で殆どが中国製です。
海外向けについて、米国パールイズミからの指示で生産計画立てて卸しているだけだったりしませんかね?
中国製は今に始まった話ではなく、それを言ったら多くの日本企業が海外傘下になってしまいます。。。
米国パールイズミが日本パールイズミの株式を過半以上保有した時に初めて海外傘下になった、ということですから、株主構成を明らかにする必要があるわけですが、ネットで調べた位だと分からないんですよね。。。
パールイズミ自体が従業員40名の小さな会社なので、どうしても上の意向に左右されますよね。自転車業界は会社規模の格差が凄いので大変です。
ですよね・・・。
そう考えると日本の自転車界隈でここまで有名な会社になっているのに、実態は従業員数十名で回している、というのも頑張ってるな、と感心してしまいます。