まさかの摩擦抵抗ゼロ、だそうです。
完全ドライ・フルセラミック構造がもたらすドライブトレイン革命(Kogel Kolossos Pulsar)

ローディーにとって「ドライブトレインの摩擦抵抗をいかに小さくするのか」は永遠のテーマですね。
チェーンやドライブトレインの潤滑性能を上げる為に、どのチェーンルブが良いのか、コスパも含めると何が良いんだろう、みたいな悩みは全ローディー共通の悩み。

そんな「ドライブトレインの効率化」について、米テキサス州エルパソに拠点を置くハイエンドパーツブランド Kogel Bearings(コーゲル・ベアリングス) から、同社史上最速を誇る最高峰ビッグプーリーシステム「Kolossos Pulsar(コロッソス・パルサー)」が登場しました。
初期テストで「摩擦抵抗ゼロ(0W)」を記録した衝撃

Kogel社が自社のテスト器具で Kolossos Pulsar のプロトタイプを測定したところ、なんと「摩擦損失ゼロ(0ワット)」という数値を叩き出したそうです。
「自社対比」とか、自分の都合の良いデータを使ってアピールすることはよくある話ではありますが、さすがに「摩擦抵抗ゼロ」はちょっと「盛った」位ではアピールできない数値なわけで。
そりゃすごい。
もちろん物理法則を破って永久機関を発明したわけではありませんから、本当に摩擦抵抗がゼロになるわけではありませんが、従来の標準的な計測センサーでは検知できないほど摩擦抵抗が低かったためであり、同社はより高精度な超高感度センサーを導入して数値の比較分析を行っているそうです。
確かに、0ワット以下小数点の摩擦抵抗を計測しようとするなら、専用の器具が必要になりそうですよね。
「フリクションゼロ」を実現する2つのコア技術
では、実際にどんな技術で摩擦抵抗ゼロを実現したのでしょうか。
ハイブリッドから「フルセラミック」への進化

一般的なセラミックベアリングは、スチール(金属)製のレース(受け皿)にセラミックボールを組み合わせる「ハイブリッドセラミック」が主流です。しかし、Pulsarはボールだけでなくレース部分にも高精度セラミックを採用したフルセラミック構造となっています。
ボールがセラミックというのはよく聞く話でしたが、まさかの受け皿パーツまでセラミックだそうで。
かなーり贅沢な使い方ですね。
完全無潤滑(グリスフリー・完全ドライ)&ノーシール運用
金属パーツが存在しないため、酸化や錆び(腐食)の心配がありません。そのため、一般的なベアリングで最大の抵抗要因となっていたオイル・グリスの粘性抵抗や、ラバーシールの接触抵抗を完全に排除することが可能になりました。
グリスは潤滑性を上げつつも金属パーツを摩耗や酸化から守る為に必要な存在でしたが、どうしても一定の「抵抗」を生んでしまいます。
それら抵抗の要因を一切排除することでフリクションゼロを実現しているわけですね。
理論としては理解できるのですが、「そこまでやるんかい」と思ってしまいます。
この結果、メンテナンススタンド上で下側プーリーを手で回すだけで、30秒以上滑らかに空転(フリースピン)し続けるという圧倒的な低抵抗を実現したそうです。さらに、単なる空転性能にとどまらず、実際の路上走行(高負荷ペダリング時)においても直接的なワット削減へとつながります。
詳細スペック&互換性
公式サイト(kogel.cc)の情報によると、Kolossos Pulsarは高い剛性を誇る「Speed Kolossos」および空力性能を高めた「Aero Kolossos」の2種類が提供されています。
こちらが「Speed」モデル。

比較的見慣れたケージですね。
で、こちらが特徴的な「Aero」モデル。

また、それぞれシマノ向け、スラム向けがラインナップ。
販売価格は公式のオンラインショップでの価格ではありますが、記事執筆時点の為替で計算されていると思いますので、実際には前後する可能性がありますのでご注意ください。
| モデル名 | 対応コンポーネント | プーリー歯数 (T) | 販売価格 |
|---|---|---|---|
| Kolossos Pulsar Speed 標準エアロ・ノーマルケージ |
・Shimano Dura-Ace R9200 / Ultegra R8100 ・SRAM Red AXS / Force AXS (12速) |
Shimano: 12T/20T SRAM: 14T/20T |
¥111,200 |
| Kolossos Pulsar Aero 空力重視フルカバーケージ |
・Shimano Dura-Ace R9200 / Ultegra R8100 ・SRAM Red AXS / Force AXS (12速) |
Shimano: 12T/19T SRAM: 14T/19T |
¥148,200 |
| Custom Finish Edition セラコートカスタムカラー仕様 |
各種コンポーネント準拠 | 各モデル準拠 | ¥157,500〜 |
ちなみに、完全にドライでシールのない超高精度ベアリングのため、泥や砂利が侵入してしまうとフリクションゼロでなくなったり、ベアリングが傷んでしまう可能性があります。
その為、オフロード(グラベル・MTB等)での使用は非推奨となっていますので、事実上はロードバイク専用パーツとなっています。
お値段はお高くなりますが、カスタムカラーモデルを選択することも可能となっています。

こちら一例ですが、かなーり「自己主張」できるパーツになっていますね。
競合ブランドとの比較
£630〜£840という価格帯は決して安価ではありませんが、ライバルであるCeramicSpeed社の最上位OSPWシステム(オイルフリー/チタン製等)が最高€1,800(約30万円)に達することや、同標準モデルが€529〜€579であることを考えると、フルセラミック&無潤滑という尖った技術を詰め込んだハイエンド選択肢として強力な魅力を放っています。
ただ、先にも触れた通りこのベアリングは完全に「ノーガード」製品となっていますので、砂利道を走ることもできませんから、完全舗装路専用製品。
雨の日に走るのも危険ですね。雨と一緒に路面の砂や微細な石が入り込むリスクがありますから。
たかが数ワット、されど数ワット。コンマ一秒を争うシリアスレーサーや、極限のメカニカル美学を追及するライダーにとっては究極のアップグレードとなるはずです。
私のような週末ローディーにはちょっと無縁な製品になりそうですが、一度体験してみたいですね。


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