前回までの記事で、個人的なプロテインとの戦いをつらつらと書き殴ってきたわけですが、さすがにそれだけじゃな・・・ということで、少しは真面目な情報も載せておきたいと思います。
サイクリストに必要なたんぱく質の摂取量(おじさんローディーは多めの摂取を)
たんぱく質の推奨摂取量
たんぱく質の推奨摂取量については色々な考え方がありますが、ある程度は共通的な見解が形成されています。
国際的な推奨摂取量は体重1kgあたり0.8g
全年齢で1日あたり体重1kgあたり0.8g(g/kg/bw)、英国政府のRDAは若干低く、1日0.75g/kg/bwとされています。
ただ、必要摂取量に関しては、年齢、性別、女性なら妊娠しているか否かといった要素によっても数字は変わってきますし、過去採用されていた推定方法について疑義が生じていたりと、突き詰めるととても深い議論が交わされているようです。(日本人の食事摂取基準(2020 年版))
様々な研究がありますが、総じて「0.7g〜0.9g」といったあたりの研究成果が多いようです。
アスリートの推奨摂取量は多め(2倍程度が推奨)
これに対して、アスリートであれば当然必要となるたんぱく質の量は増えてきます。これもスポーツの種類によって異なってきますが、例えば日本スポーツ協会が提唱する数値だと、筋力・瞬発力系のアス リートは体重1kgにつき1.7~1.8g、持久系の アスリートは1.2~1.4g程度とされています。
おじさんローディーの推奨摂取量は多めだった
基本的にローディーであっても同じ話が適用されるわけですが、ややこしくなるのが「ローディーであっても乗り方は人それぞれだし、年齢もバラバラだよね」という話。
そんな中、アラフィフローディーに超絶どんぴしゃな記事がありましたので、以下に紹介したいと思います。
McDニュートリション社のパフォーマンス栄養士の資格を持つエレン・マクダーモット氏が推奨する、50代以上のサイクリストの推奨摂取量がこちら。
- トレーニング量が少ない/カジュアルライダー:1.6~1.8g/kg/bw
- トレーニング量が多い/脂肪を減らしたいライダー:2~2.5g/kg/bw
- 筋肉を増やしたいライダー:2.4~3.4g/kg/bw
どうでしょう。これまでに紹介してきた各種数値よりも高めの数値となっています。一般論として、年齢が上がるとたんぱく質の摂取量は増やした方が良いという話はあるのですが、私のような「トレーニング量がそこまで多くないカジュアルライダー」であっても、1.6〜1.8gが推奨値とされています。
コロナ罹患後、体重が戻ってきていないアラフィフ、体重54kgな私の場合、必要摂取量はこんな感じ。
- 一般的な必要摂取量は約43g/1日
- 持久系アスリートと仮定すると、約70g/1日
- 上記栄養士の説に従うなら、約92g/1日
アスリートではないものの、高めの数値となりました。
ちなみに、日本人ってどれくらいたんぱく質摂取できてるの?という話ですが、先の日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると、18歳以上の1日当たりの推奨量は、女性が50g、男性が65gだそうですから、明らかにそれよりは「多い」数値になっています。
というのも、推奨量は、あくまでも欠乏によって病気にならない最低限の目安なんですね。ここを目標にしてはいけません、という話になります。
ちなみに、良好な栄養状態を維持するのに十分な量を示す「目標量」は、例えば50〜64歳、デスクワークで身体活動量が普通の男性でも91〜130gとなっています。
私の場合体重が軽めということもありますが、「90g/1日」というのは、あながち低い目標値ではないようです。
そんなに食べられてるかな?
たんぱく質摂取のタイミングについて
先のブログ記事でも書きましたが、運動後のゴールデンタイム、みたいな俗説は無視してOKです。
ポイントになるのはこのあたりでしょうか。
- たんぱく質は他の栄養素(脂肪と炭水化物)と異なり、体に蓄えることができない
- 1回に吸収できるたんぱく質の量には限界がある為、1回あたり20〜30gの摂取を心がける
- トレーニングの前後含め、3〜4時間おきに摂取するのが理想
- アスリート系有名人がやっているようにたんぱく質を持ち歩いて数時間おきに食べる、みたいな苦行を行う必要はなく、1日3回の通常の食事と1、2回の間食をこころがけると良い
たんぱく質含有量の目安
代表的なものを軽くピックアップしてみます。(元ネタによって数値には微妙に違いがありますのであくまでも参考までに)
- アジの開き・・・中型(78g)で19g
- 鮭の切り身・・・切り身(86g)で18g
- ウィンナー・・・1本あたり約2g
- ヨーグルト・・・100gあたり約4g
- オイコスヨーグルト・・・1カップ(113g)あたり10.2g
- 白米・・・一杯(150g)で3.8g
- 納豆・・・1パック7g
- ちくわ・・・1本あたり約4g
- ラーメン(中華麺)・・・1食(140g)あたり約7g
- チャーシュー・・・一枚あたり1.4g
- そば(乾麺をゆでた場合)・・・1食(100g)あたり約5g
- うどん(ゆでた場合)・・・1食(180g)あたり約5g
- 豚肉・・・100gあたり14g
- 鶏もも肉・・・100gあたり20g
- 鶏胸肉・・・100gあたり17g
- 小分けのナッツ・・・一袋(24g)あたり4.5g
- ゆで卵・・・一個あたり約7g
- 豆大福・・・一個あたり約8g
普通のおじさんローディーはたんばく質を十分に摂取できているのか?
果たして、自分の平均的な食事だとどのくらい摂取できているだろうか?と振り返ったのがこちら。
- 朝食・・・約15g(白米、魚、ヨーグルト)
- 昼食・・・麺類だと15g、定食で20g程度
- 夕食・・・約20g〜25g(肉、白米、豆腐や豆類等の副菜)
控えめに試算すると、50g程度、摂取できている日でも60g程度になりそうです。先の日本人の食事摂取基準(2020 年版)で男性が1日あたり65g摂取している、というのがとても納得できてしまいました。
あと、30〜40g摂取しようとすると、なかなかハードル高いですね・・・。
今回改めて見返してみて、「和食」の優秀さにも気づきました。特に朝食。
白米(3.8g)、鮭の切り身(18g)、納豆(7g)、卵(7g)を食べると、これだけで約36g。めっちゃ優秀です。
一人暮らしで魚を朝から焼くのはしんどいという人におすすめなのがちくわ。最近我が家のお嬢様が気に入ってよくぱくついてますが、高たんぱくですし、朝からでも食べ易いですからね。
無理ない範囲だと、間食でオイコスヨーグルトを食べ(+10.2g)、小分けのナッツも食べ(+4.5g)、朝昼夕のどこかで卵を一つ追加(+7g)するくらいなら今から追加することはできそうですが、それだとまだ約22g程度。
お嬢様を見習って、おやつにちくわ、というのも良いかも?
加齢とともに食事量が減ってきていることを考えると、意外と意識しないとたんぱく質の摂取量が足りないな、というのがよく分かりました。
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