新生マビックホイールは国内仕切り価格が低くなった?(COSMIC SLR / SL発表)

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マビック コスミックSLR / SLシリーズが新登場(国内仕切り価格が低くなった?)

マビックから新生コスミックSLRシリーズが発表されましたね。

今年に入ってから、海外通販で徐々にコスミックプロカーボンシリーズが値段を下げていたのは在庫一掃だったようで。

おかげさまで私もお安く購入することができたので良いのですが。

y’sロードなど見ていると少量ではありますが徐々に国内でも流通が始まったようですね。
他方、海外サイトを見てみても、まだコスミックSLR45しかお値段も出ていませんし、世界的に見て日本が最も早く流通している模様。

日本はお得意様なんですかね。

1. マビックホイールの新ラインナップ

従来のラインナップはだいたいこんな感じでした。

シリーズ リムハイト 素材 グレード
コメット 64mm カーボン プロSL / プロ
コスミック 40mm(カーボンリム)、45mm(カーボンディスク)、30mm(アルミ) カーボン、アルミ アルチメイト / プロSL / プロ / エリート
キシリウム 22mm(アルミ)、32mm(カーボン) カーボン、アルミ プロSL / プロ / エリート / 無印

コスミックとキシリウムはラインナップが4グレードに分かれていたのですが、それぞれで名称が微妙に違っています。
リムハイトもブレーキモデルや素材によって違っていて、非常に分かりにくいんですよね。
例えばリムハイトですが、コスミックだとリムブレーキモデルだと40mmなのにディスクブレーキモデルだと45mm。キシリウムに関しては、カーボンとアルミでリムハイトが異なります。
最近は、各社ホイールはモデル名でリムハイトが分かるようになっているものが多数ですので、マビックも今回モデルを刷新することに。

  • グレードはアルチメイト、SLR、SL、Sの4グレード
  • ラインナップは、カーボンのコスミック、アルミのキシリウム
  • コスミックはリムハイトにより、65 / 45 / 32の3ライン(ディスクブレーキモデル)
  • コスミックのリムブレーキモデルはSLR /SLの2グレードのみで、リムハイトは40mmのみ
  • キシリウムはリムハイト25mmで共通。グレードはSL / Sの2種類。それぞれディスクブレーキとリムブレーキモデルを用意

表にするとこんな感じ。

アルチメイト SLR SL S 素材 リムハイト
コスミック(ディスク) カーボン 65mm / 45mm / 32mm
コスミック(リム) カーボン 40mm
キシリウム(ディスク) アルミ 25mm
キシリウム(リム) アルミ 25mm

ちなみに現状あるコスミックアルチメイトはチューブラーモデルになりますので、今後コスミックSLRのようにリムハイト別に登場するのかは不明ですね。

2. 新生コスミックSLR45の特徴

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当然ながら、今回もっとも力が入っているのがコスミックSLRシリーズ。
従前だとコスミックプロカーボンSLに該当するグレードですね。

まずはスペック上で分かり易い違いがこちら。

ホイール名 重量 価格 スポーク本数 スポーク組
コスミックSLR 45 DISC 1,470g ¥250,000 24本(F)、24本(R) 2クロス(F)、2クロス(R)
コスミックプロカーボンSL UST ディスク 1,515g ¥295,000 20本(F)、24本(R) 2クロス(F)、イソパルス(R)

今回はタイヤ(イクシオンプロUST)が同梱されていませんので、タイヤを除くと約3万円くらいはお安くなった感じでしょうか。
フロントのスポーク本数が20本から24本に増えていますが、全体としては45gの軽量化を実現しています。

また、スポークの組み方も変更されているようです。

そのほか、今回刷新された主要なポイントは以下。

(1) リム形状の刷新

リム形状を刷新することで、ワイドタイヤの着脱がより簡単になったそうです。結果、ETRTO規格に準拠したタイヤであればブランド問わずに使用可能に。
従来はマビック謹製のイクシオンプロUSTに最適化され、セット販売されていたわけですが、今後はイクシオンプロUSTとのセット販売は行わず、ETRTO規格に準拠したものであればどのタイヤをお使い頂いても結構ですよ、という話になりました。

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上図は上が旧版、下が新版のリムになりますが、①の部分が広くなり、②の部分にある突起がなくなっています。

タイヤを嵌める時に、ビードを中央に落とし込み易くなりますので着脱がよりやり易くなるんでしょうね。

(2) FORE CARBONテクノロジー

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今回、新たにFORE CARBONテクノロジーというものが発表されました。
スポークをリムに固定する為のニップルホールをなくし、リムテープが必要ない構造にすることでリム剛性を高めるとともにリムの軽量化を実現しています。

  •  リムテープ1本あたり30g分の軽量化を実現。リム外周が軽量化されることで、登坂性を高めるとともに、加速性も向上
  •  リムに空けられるホールが不要となり、スポークが直接リムにねじ込まれることで剛性UP

現行のコスミックプロカーボンSL UST DISCが前後ペアで1,515g。
今回発表されたコスミックSLR 45 DISCが前後ペアで1,470gですので、ここだけ単純に比較すると45gの軽量化なのですが、実際にはコスミックプロカーボンSL USTで使われていたリムテープも考慮すると、実際には100g以上の軽量化が達成されていることになります。

マビック社では、コスミックプロカーボンSL UST DISCにリムテープをつけ、実際に使用状態にある時の重量は1,590gあったと発言しているそうで、その状態で比較すると前後合わせて120g軽量化されたことになります。

この軽量化は大きいですね。

この軽量化に関しては国内各サイトでも触れられているのですが、実はエアロ性能が「低下」している点に触れているメディアは少ないんですよね。

今回、マビックから公表されたもう一つの情報がこちら。

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下段のニップルの形状に着目してください。
FORE CARBONテクノロジーで採用されたニップルは決して小さくないんですね。
弾丸のような形状をしていますが、従来のニップルの倍近い直径があるそうで、時速40kmで測定すると、約2Wのパワーロスが発生するそうです。

このFORE CARBONテクノロジーを採用しているのはコスミックSLRのみで、コスミックSLには採用されていません。

他方、コスミックSLRはスポークの形状がエアロになっており、非エアロなコスミックSLと比べると時速40km時に約4Wのパワーセーブができると謳っています。

国内の各種記事だと、このエアロスポークによる4Wセーブとリムの軽量化には触れているのですが、非エアロな形状となったニップルに起因するパワーロスについてはほとんど触れられていません。
少し不親切だと思うんですよね・・・。

ちなみに、マビック社はFORE CARBONテクノロジーにおけるニップルが空気力学的に最も優れたものではないことを公言しているそうですので、決してマビック社の問題ではありません。

公正を期すと、FORE CARBONテクノロジーを採用するコスミックSLRシリーズは、コスミックSLシリーズや現行モデルのコスミックプロカーボンSL UST DISC対比では以下の特徴となります。

  • スポークのエアロ形状で4Wセープの一方で、ニップル形状により2Wロス。差し引きでSL対比では2Wエアロ特性に優れている
  • リムテープが不要となる為、前後で少なくとも60gは軽量化

マイナス要因を加えたとしても十分魅力的なんですから、きちんと伝えて欲しいところです。

(3) インフィニティハブプラットフォーム

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ハブシェルの見直しによりスポーク配置を最適化。スポークが接触しない組み込みになったそうです。
何でも、現行の組み方だとスポーク同士が接触して音が出ることがあるそうで。

剛脚ローディーや重量級ローディーには改善なんでしょうが、私のような軽量凡人なローディーにはあまり関係はなさそうです。

(4) 軽量化された新型ハブ設計

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軽量化された新型ハブ設計により、前モデルのインスタントドライブ360より65グラムの軽量を実現。

今回はリムが軽量化されていると行っていますが、スポークの本数は増えていますので全体としては45gの軽量化。
そう考えるとハブの65g軽量化という点は、重量面ではとても大きなインパクトを生んでいるようですね。

3. 新生コスミックSL45の特徴

お次がコスミックSL45シリーズ。
SLRシリーズは大々的にアピールされていますが、SLシリーズは補足的にしか触れられていません。。。
私が現在愛用しているコスミックプロカーボン USTもそうなんですよね。SL USTの関する記事は多いのに、non-SLに関する記事はとても少ないわけで。

もうちょいスポットライト当てて欲しいものです。

まずは仕様上の違い。あまりありません。

ホイール名 重量 価格
コスミックSL 45 DISC 1,585g ¥160,000
コスミックプロカーボン UST ディスク 1,650g ¥220,000

コスミックSLRでは、スポークの本数や組み方が変わっていたのですが、コスミックSLに関してはその辺りは旧型と共通。

ぱっと見は重量と値段しか違いがありません。
とはいえ、タイヤ分を除いても4.5万円ほどお安くなり、重量は65gの軽量化。
この65gは、そのまんまハブの軽量化なんでしょうか。

コスミックSLRよりもお値段も重量も一層お得感が出ています。

(1) SLRシリーズとの違い

結果的に、SLRシリーズと何が違うのか、という話になりますが。

  • リム形状の刷新
  • FORE CARBONテクノロジーは見送り
  • インフィニティハブプラットフォームの採用

一番大きなFORE CARBONテクノロジーの採用は見送りです。
仕様表見ても分かるように、これがなくともハブの軽量化で十分インパクト出ているし、ということでしょうか。
スポークが非エアロな為、FORE CARBON採用してしまうと軽量化されたとしてもエアロ特性が低下する一方ですので、その辺りのバランスを考えたんですかね。

リム形状は刷新されていますので、タイヤの付け外しはし易くなったし、それだけでも十分かもしれません。

4. 新生コスミックSLR32とキシリウムプロ SLとの比較

コスミックSLR32の比較対象はキシリウムプロカーボンSL UST DISCになります。

リムハイトは32mmで共通。

変更点はすでに記載している通りで、(1) リム形状の刷新、(2) FORE CARBON テクノロジーの採用、(3) インフィニティハブプラットフォームの採用、になります。

その他の仕様上の違いはこちら。

ホイール名 重量 価格 スポーク組
コスミックSLR 32 DISC 1,415g ¥250,000 2クロス(F)、2クロス(R)
キシリウムプロカーボン SL UST ディスク 1,495g ¥295,000 2クロス(F)、イソパルス(R)

コスミックSLR45とは異なり、スポーク本数は変更なし。
スポークの組み方が変わっています。

重量にすると80gの軽量化ですので、ハブで65g、リムで15g軽量化されたイメージでしょうか。

加えて、リムテープ分が軽量化されることになりますので、ディスクブレーキモデルのホイールとしてはかなり軽量になったのではないでしょうか。
個人的にBORA WTO33がとても気になっていたのですが、BORA WTO33 の1,485gよりも軽量ですし、かなり魅力的です。

5. 新生コスミックSL32とキシリウムプロ との比較

コスミックSLR32 以上に魅力的になったと感じたのがこちらのコスミックSL32。
技術面ではFORE CARBONテクノロジーこそ採用されていませんが、リム形状の刷新と、インフィニティハブプラットフォームは採用されています。

ホイール名 重量 価格
コスミックSL 32 DISC 1,499g ¥160,000
キシリウムプロカーボン UST ディスク 1,620g ¥220,000

タイヤ分を除いても4.5万円お得になり、重量に関してはなんと121gの軽量化を達成。
正直、キシリウムプロカーボンUST DISC に関しては、ロープロ ファイルな割にはやけに重たいな、というのが正直な印象でしたが、ギリギリ1,500gを切ってきたことで、「これなりアリかな」と思えるようになりました。

6. 日本国内での仕切り価格は従来よりもお安くなっている?

今回色々と調べてみたところ、まだ海外ではコスミックSLR45 DISCのお値段しか判明していません。

ホイール名 国内価格 EU価格 米国価格
コスミックSLR 45 DISC ¥250,000 €1,850 $2,000.00
コスミックプロカーボンSL UST ディスク ¥295,000 €2,000 $2,099.99

こうやって比較してみると、コスミックプロカーボンSL UST ディスクからコスミックSLR45 DISCになっても、欧米では「タイヤがなくなった分+α」お安くなっただけなのですが、日本だけは明らかに「タイヤ分以上、明らかに安くなった」ことが分かります。

タイヤ分を除いても、おおよそ8%くらいは仕切り価格が低下している印象。

マビックのホイールは海外通販価格を見てしまうと、国内流通価格が「やたらめったら高く」感じていたのですが、少しは緩和されたようですね。

これも、マビックの親会社が変更された影響なのでしょうか?

こちらも親会社変更の影響なのか、マビック社に関してはホイールの保証条件も最近になって変更されています。

内容的には、保証期間の延長と、クラッシュ時の商品購入価格のお値引きになります。

  • アルミは3年、カーボンは5年へ延長可能
  • ホイールがクラッシュした場合、同商品または同等商品が特別価格で購入可能。購入後、5年未満の場合 40%OFF、5年〜8年未満の場合 30%OFF、8年以上の場合 10%OFF

ホイールに関しては、保証される条件は厳しいという話をよく聞きますが、クラッシュした場合の特別価格というのは魅力的です。5〜8年でも30%OFFで後継製品が購入できるって、かなり魅力的な気がします。

ひと頃、会社身売りでかなり業界をざわつかせたマビックですが、結果的には「結果オーライ」になった気がしますね。

次にディスクブレーキモデルのロードバイクに乗り換える際には、マビックの新ホイールが第一候補に躍り出た感がします。

これから各方面からレビュー記事が出てくるのが今から楽しみです。

コメント

  1. たかにぃ より:

    今年は各ホイールメーカーがカーボンホイール全体の値段を下げてきましたからね。
    各社とも定価32万、20万、13万程度と3段階の値段設定で揃え、アルミハイグレードが微妙になってきました。
    ツールドフランスでアラフィリップが28年ぶりにクリンチャータイヤでのステージ優勝しましたが、そのときのDB用ホイールALPINIST CLXが33mmハイト1248g 32万円、廉価版CLも1365g 19万8千円とか。フロントだけでも買おうか悩むところです。

  2. おとーさん より:

    以前は30mm/35mm/40mm/45mmといった5mm刻みが多かった印象なのですが、最近は32mmとか33mmとか、何とも微妙な刻みが多いようですね。
    絶妙なバランスなんですかね?
    廉価版でも33mmハイトで1365gとか、すごいですね・・・。
    ディスクブレーキモデルは重たく微妙な印象だったのが、ここ最近一気に進化したようで、眺めているだけでわくわくしてしまいます。

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