【比較レビュー】ピレリPゼロレースTLRの空気圧比較

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現在私が使っているホイールはキシリウムエリートUST。
長らくマビック純正のイクシオンプロUSTを履いていたのですが、今年になって「もうちょい別のものも試してみよう」ということで、ピレリPゼロレースTLRに交換しました。

その後1ヶ月ほど経過したところでイクシオンプロUSTとの違いなどあれこれと思うところもありましたので、比較記事も書いています。

今回は、ピレリPゼロレースTLR のタイヤ空気圧を数パターン変えてみて、「自分にとってベストな空気圧はどれくらいなのか?」を検証してみましたので、その辺りをまとめてみたいと思います。

ピレリPゼロレースTLR の推奨空気圧はどの程度なのか

1. 各社で異なる推奨空気圧

各社タイヤの素材も異なりますから当然と言えば当然なんだと思いますが、各社で推奨空気圧に対する考え方は異なります。

ヴィットリアの場合、タイヤのケーシングの違い(TPI)別の推奨空気圧をまとめてくれています。

ピレリはシンプルに、タイヤの幅毎に推奨空気圧をまとめてくれています。

マビックが最も使い易いと思うのですが、My Mavic というスマホアプリがあり、自分の体重や乗り方、ホイールのリム幅などを入力すると自分の適正空気圧を教えてくれます。
パラメーターが最も多く設定されているのがマビックですね。

ピレリPゼロレースTLRが26cという特殊なタイヤ幅であり、ケーシングも120TPIとヴィットリアの表にぴったり合致するものがないのですが、私の体重に該当する各社の推奨空気圧はおおよそこんな感じでした。

 

推奨BAR(フロント) 推奨BAR(リア)
ヴィットリア 6.4 6.8
ピレリ(26c) 5.4 5.4
マビック・パフォーマンス(25c) 5.0 5.0
マビック・バーサタイル(25c) 5.2 5.2
マビック・コンフォート(25c) 5.4 5.4

 

ヴィットリアは60TPIと150TPIしかありませんでしたので、その中間を記載しています。
マビックは25cの場合の数値になりますので、26cの場合にはもう少し推奨空気圧は低くなる可能性があります。

また、マビックの場合はライドスタイルに応じて空気圧の推奨値も変わっています。

  • パフォーマンス:頑張って走るぜ
  • コンフォート:快適に行こうぜ
  • バーサタイル:良いトコ取りで

ピレリPゼロレースTLRに交換後はキリの良いところで、5.5BARに設定して乗っていたのですが、今回はその前後の空気圧も交えて乗ってみたいと思います。

2. 推奨空気圧 ± 0.5Barで乗り比べしてみた

まず空気圧を6.0BARにセットしてライドを開始します。
今回は100kmほどのルートを走ることにして、おおよそ1/3走ったところで徐々に空気圧を下げていって比較してみることにしました。

ライド中に空気圧を変更する必要がありますので、今回はパナレーサーのアナログ式タイヤケージを持ち出すことにします。

こちらのタイヤケージはリリースバルブがついていますので、バルブに装着した後にバルブをプッシュすることでタイヤの空気を抜くことができます。

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素早くワンプッシュすると0.1BARくらい空気が抜けます。
これでライド中に空気圧を変更して乗り比べしてみたいと思います。

(1) 推奨空気圧 +0.5BAR(6.0BAR)

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まず6.0BARからスタート。

  • 転がりの軽さ:基準としていた5.5BARよりも空気圧が高いわけですが、転がりが良くなったという印象はなし。悪くもなっていないのであまり変化は感じません
  • グリップ感:ここは明らかに「悪くなった」ことが分かります。実際にスリップするようなことはないのですが、下りでハンドルを倒す際に少し不安を感じる感じ。僅かな違いだとは思うのですが
  • 乗り心地:これも明らかに悪化。細かなロードノイズも広いますし、大きめの段差でも大きめな衝撃が来ます

(2) 推奨空気圧 (5.5BAR)

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続いて推奨空気圧に近い5.5BAR。

  • 転がりの軽さ:とても快適。先日のレビュー記事でも書きましたが、5.0BARのイクシオンプロUSTよりも明らかに転がってくれます。
  • グリップ感:6.0BARよりも0.5BAR下げただけなのですが、転がりとグリップ感は明らかに「これ別物のタイヤですか?」という位に違いを実感できました。イクシオンプロUSTと比較した時に明らかに「良い」と感じたポイントになります
  • 乗り心地:これもわずか0.5BARの違いなのですが、細かなロードノイズがかなり減りました。大きめの衝撃も「ほんの僅か」ではありますが柔らかくなった印象。

6.0BARと5.5BARならどちらを選びますか?と聞かれたら、迷わずに5.5BARですね。
6.0BARにした方が良い点が一つもありませんでした。

(3) 推奨空気圧 −0.5BAR(5.0BAR)

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最後に5.0BAR。
マビックのコンフォートで推奨されている空気圧となります。

  • 転がりの軽さ:平坦なコースを走っている限りは5.5BARとの違いはあまり感じませんでした。但し、5%超の上りになると、少し「重たさ」を感じました。漕ぎ出しも少しもっさりした感じがあるかなー、という印象ですが、これはプラシーボかもしれません
  • グリップ感:更に0.5BAR下げたんだからグリップ感も向上しているよね!と思っていたのですが、ここはあまり違いが分かりませんでした。もっと下りのコーナーで攻めた乗り方をするような場合には違いを感じるのかもしれませんが、私のような週末ローディー、安全運転第一主義者にとってはそこまで違いを実感できませんでした
  • 乗り心地:細かなロードノイズは、5.5BARよりも明らかに減りました。他方、段差や大きめな凹凸に関してはそこまでの違いは感じられず

6.0BARから5.5BARに変えた時よりも、5.5BARから5.0BARに変えた時の変化の方が「小さい」印象でした。
総じてコンフォート寄りになった印象です。

(4) イクシオンプロUSTとの比較(5.0BARで比較)

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それでは「5.0BARに設定していたイクシオンプロUST」との違いや如何に?という点については、ざっくりこんな印象でした。

  • 転がりの軽さ:同じ5.0BARであっても、イクシオンプロUSTよりはピレリPゼロレースTLRの方が転がりは軽い印象。ただ、これはそこまで大きな違いではないかな?と思います
  • グリップ感:これはピレリの方が明らかに上だと思います。イクシオンプロUSTは、空気圧を下げていってもグリップ感が向上する印象があまりありませんでした
  • 乗り心地:細かなロードノイズに関しては、同じ空気圧であれば似たようなものかな?というのが正直なところです。ただ、段差や凹凸のような少し大きめな衝撃に関しては、明らかにイクシオンプロUSTの方が「ぼよん」と吸収してくれた印象でした。他方、転がりにもつながるのですが、イクシオンプロUSTの方が衝撃はないのですがタイヤが跳ねてしまう印象があり、その辺りがピレリの方が転がりが軽く走り易い、と感じた理由かもしれません

同じ5.0BARで走る分には、そこまで違いは感じないかもしれませんが、5.5BARで比較すると、その差(特徴)は広がる印象です。

  • 転がりも良く、グリップ感も高いピレリ
  • 総じてコンフォートな乗り心地のイクシオンプロUST

ガラっと性格が変わるほどではないと思いますので、「イクシオンプロUSTから少しだけ違う乗り味も試してみたいかも?」という方には、ちょうど良いタイヤなのではないでしょうか。

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