今更取り立ててツッコミを入れるまでもないホイールに関する事実。
平坦であればリムハイトの高いエアロホイールが速く、峠のような上りであれば軽量なホイールの方が速いという事実。

プロレースの世界だと、上りでもコースによってはエアロホイールで走ったりするそうですが、概ねそれぞれのホイールの特徴としては平坦はエアロ、上りは軽量、となっていますよね。

今回は「プロの世界ではそうだろうけれど、一般の世界でも本当にそうなのか? どこまで違いがあるのか?」をテストした記事がありました。

個人的にはこの「一般の世界でも」という考え方は大好きです。

ということで、今回は「本当に平坦はエアロ、上りは軽量ホイールが正義なのか?」という記事についてご紹介したいと思います。









■ エアロホイールと軽量ホイールの違いについて(実践比較)



1. 比較用のホイールについて

今回比較レビューで使用されたホイールは HUNT のカーボンディスクホイール。


ホイール リム内幅 リムハイト 重量
HUNT 60 LIMITLESS AERO DISC 21mm 60mm 1669g
HUNT 32 AERODYNAMICIST UD CARBON SPOKE DISC 21mm 32mm 1213g



私はリムハイト40mmまでしか経験したことはなく、リムハイト60mmはちょっと想像できません。横風とか大丈夫なんだろうか、と心配になってしまいます。

対して軽量ホイールはリムハイト32mmで1213gですか。
めっっっちゃ軽量ですね。




2. テスト方法

今回の記事は冒頭でこのように疑問を投げかけています。




平坦ではエアロホイールが速く、登りでは軽量ホイールが速い。それが常識です。

しかし、実際のところ、普通のライダーにとって、その差はいったい何なのだろうか? 回転重量は登り坂で本当に重要なのだろうか?エアロホイールに関する限りないメーカーの主張は本当なのだろうか?
 

良いですねー。
ロードバイクは「科学」の側面が非常に多く、どうしてもメーカー(プロ)と一般的な素人ローディーの間には情報の非対称性が存在します。

そうなると、私のような週末ローディーはメーカーの主張を鵜呑みにしたり、「詳しいと思われる」ベテランローディーやショップ店員の発言を信じざるを得なかったりするわけです。

そんな私みたいな人間にとっては、例えそれが「ある個人の、特定条件下における」試験結果であったとしても、検証を数字で行ってくれるレビュー記事ってとても有難いんですよね。


以下が今回のテスト条件となります。

  • タイヤはシュワルベプロワンTLE(25c)で共通
  • ディスクローター、カセットは同じシマノ製で揃える
  • テストは条件を揃えて交互に比較検証を行うABテストにて実施
  • ホイールセットだけを変更し、その他バイクのセットアップ、ライディングポジション、サイクリング用品、体重など、他のすべてを可能な限り一定に揃える
  • 気候、風向きにより条件は変わる為、可能な限り天候が穏やかな日にテストを実施
  • 平坦におけるテストはベロドローム(自転車競技場)で実施
  • 上りはサウスウェールズに過酷な峠道で実施

ABテストはサンプル数が少ないとその信頼性があまり上がらないというデメリットはありますが、そんなところにケチをつけても仕方ありません。
こうやって検証してデータを上げてもらえるだけ有難い話であります。 




3. 自転車競技場で比較

まずは平坦での比較検証を実施。
競技場で目標とする平均出力で続けて走り、各セット間のスピードの差を記録しました。

競技場は適度なバンクのある周回460mのコース。これを20週(9.2km)以上走った結果となります。

結果、「一周あたり0.5秒の差」でした。


実際の条件下では、エアロホイールでのラップ平均出力は1.73%高くなってしまったようなのですが、逆に平均気温は1.3℃低かった(=空気抵抗が高かった)ようですので、気候条件は結果的にエアロと軽量ホイールとでほぼ同条件になっていたのでは?という考察になっています。

1kmあたりで1秒の差、100kmのライドに出かけて100秒の差。

なるほど・・・。


どうでしょうか。
レースの世界においてはかなーり大きな要素になりそうですよね。
時速40kmで50kmのコースを走った場合、約500mくらいは差がつくことになりますから。

ただ、週末にライドを楽しむという世界においては、正直大きな差とは言えないかもしれません。 




4. ヒルクライムで比較

続いてヒルクライム。
コースの詳細はこんな感じ。


  • 全長1.8km
  • 平均勾配は約11%
  • 頂上付近では最大14%に達する
  • ギアは34×28Tのインナーロー
  • 平均ケイデンスは78rpm
  • パワーについては300W(4.5W/kg)で走行

平均勾配が11%というのは、なかなかシビアな峠道ですね・・・。
コースプロファイル的には、和田峠を半分の長さにしたようなコースでしょうか。
私なんかだと足つきなしで登り切るのに精一杯で、タイムアタックをする気にもならない峠道です・・・。






ここに来て判明した事実があります。

  • 私の場合リア28Tだと足りない(踏めない)
  • 平均ケイデンスは70rpmを切る自信がある
  • そもそもPWRが4.5W/kgとか、「一般」ライダーではない

いやいや、ほんと一般人ではないですってば。
富士ヒルで余裕でシルバー取れるような脚力ですね、この人は。
とはいえ、さらっと富士ヒルでゴールドを取るような人ではない、という点で、より「一般ローディー」に寄ったテストライダーだとも理解できるわけで。



結果ですが
「軽量ホイールの方がエアロホイールよりも8秒速い」という結果に。

1km換算だと4秒の差となります。

但し、自転車競技場で比較した時とは逆で、今回は気候条件は若干軽量ホイールに有利になっていた模様。(エアロホイールの時の方が、平均バワーが1.95%低く、平均気温も2℃低かった)

峠道で出力をぴったり揃えて走るのは難しいでしょうから、これは致し方ないですかね。


こちらについても、ある意味フラットな時と似たような結果になりました。
レースの世界において、ヒルクライムで4秒の差は大きいですよね。
他方、リムハイト60mm、重量差450gあるにもかかわらず、エアロホイールがわずか4秒の差で肉薄していた、という捉え方もできるかもしれません。

エアロホイールでこの差で収まっているのであれば、その後の平坦路もあるようなコース全体で捉えた時に、エアロホイールの方がトータルでは早く走れる、という考え方もできますよね。



5. 週末ローディー的サマリ

この記事は最後に「自分がよく走るコースを考えたホイール選びを」「ちょっとした坂や峠があるくらいならトータルではエアロホイールが有利」「とはいえ、風の強い日なども考えるとロープロファイルの方が楽しめる可能性も」といった流れで締めくくっています。

誰にでも共通する最適解なんてないですからね。




で、週末ローディーとしてこの記事を読んでどう思ったか、という話なのですが。

私くらいの脚力レベルでは、「あまりエアロとか軽量とか、関係ないのかも!?」という身も蓋もない印象を持ってしまいました。

実際に私がこれまで使ってきたホイールがこちら。

  • 所謂鉄ゲタホイール
  • キシリウムエリートUST(マビック)
  • コスミックプロカーボンUST(マビック)
  • シャマルウルトラ 2-way fit(カンパニョーロ)

超軽量、超エアロなホイールはなく、ぎりぎり1400g台のプチ軽量ホイール、ミディアムプロファイル(40mm)のホイールしか経験していません。

コスミックプロカーボンに乗った時には、確かにタイムは明らかに早くなりましたが、その後改めてキシリウムエリートに乗ったり、シャマルウルトラに乗った感触からすると、「リムハイトの高さよりも、ホイールの剛性の高さの方がスピードアップにつながっているのでは?」という印象がありました。

所詮、下り坂でも時速40km台しか出さないような人間にとっては、リムハイトのエアロ性能よりも、踏んでも力が逃げない、という剛性の要素の方が加速や巡行維持につながる気がするんですよね。


とはいえ、リムハイトが高いと格好良いんですよねー。


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ということで、個人的には「自分にとって程よく高い剛性のホイール」「見た目が格好良い」の二つの要素で選べばよく、リムハイトにはこだわり過ぎなくても良いかな、と改めて感じる記事になりました。


BORA WTO33 あたりが楽しいのかもなー、なんて危ない考えが頭をよぎってしまいました。
また円高になってくれないかなー・・・。





 




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