個人でも風洞実験ができるすごいヤツ(NOTIO AERO METER)
ロードバイクを始めたばかりの3年ほど前は、「エアロ? 何それ?」と思っていました。
昔若かりし頃はマウンテンバイクでツーリングに出かけたりしていましたので、フロントキャリア、リアキャリア合わせて15kg以上を積んで峠道を走ったり、何日もぶっ続けで走り続けた辛い経験から、「軽量化こそ正義なのでは?」と単純に考えていました。
その後ロードバイクにのめり込み、ロードバイクで走るような走行域(時速)においては、重量よりも空気抵抗が占める割合が多くなるんだよ、とか。
パワーメーターを取り付けてから「フレームやホイールのエアロ効果で10W削減」という数字が、全然無視できるような数字ではないことに気づき、「エアロって大切なんですねー」とようやく理解できるようになってきました。
ただ、重量だと測りで計測して「30gの軽量化に成功!」とか数値化し易いですが、空気抵抗の計測には専用の風洞設備が必要ということもあり、エアロの効果を「何となく」体感することはできるけど、数値化できないのはイマイチだなー、と思っていたところ衝撃的なガジェットを見つけてしまいました。
NOTIO AERO METERです。
1. NOTIO AERO METERでは何ができるようになるのか
素人の私がここであれやこれや書くよりは、こちらの記事を見ていただく方が正確ですかね・・・。
簡単にまとめると、こんな感じ。
- 空気の流速をピトー管と呼ばれるセンサーで計測し、内臓された加速度センサーで計測された加速度を合わせることで、空気抵抗(CdA)を計測してくれる
- 但し、他のメーター類のように「これメーターがあれば数値計測できる」という単純なものではなく、他にも各種センサーから取得されるデータが必要
- 具体的には、(1) スピードセンサーから得られる速度情報、(2) パワーメーターからのパワーデータ、(3) 設定重量(体重+バイクの総重量)、といったパラメータ値を合わせて計算して初めてCdA値が計測される
- パワーメーターをすでに持っている人であれば良いが、そうでないと初期投資が半端ないことに・・・
- NOTIO POWER METERと他のセンサーとの接続はANT+で実施
- NOTIO POWER METERの操作はiPhoneにインストールした専用アプリで実施。計測の開始と終了をアプリで実施する必要がある点は若干面倒かも
- ガーミンでリアルタイムな値を確認することも可能だが、計測データはクラウドに送信され、専用ソフトでライド後に詳細を確認することが可能
- ガーミンでリアルタイムで確認できる値は、風速、CdA値
風洞実験を個人でもできるようになる、といった表現からも分かるように、本来的にはシリアスレーサーの方々が、実際のコースを走りながら自分が持っているジャージやヘルメットなどの装備を使用しながら、よりエアロなポジションを追求したりする、というのが本来的な使い方なんでしょうね。
私のような週末ローディーには確実にオーバースペックも良いところですし、帰宅後にデータを見ても、「あれ、このグラフエリアはどこを走っていた時の値なんだろ?」みたいな話になって、ろくすっぽ使いこなせない気がしてなりません。
ただ、リアルタイム(若干のタイムラグはあるでしょうが)で、今の風速がどのくらいなのか、ポジション変えたりジャージ を変えたり、ホイール変えたらどのくらい空気抵抗が変わるのかが数値として見える化されるというのは、ガジェット好きな人間には堪らないですね。
ほんと、先日買ったマビックのコスミックプロカーボンUSTになって、私のような週末ローディーレベルでどの程度の空気抵抗低減効果があったんだろうとか、とっても知りたいです。
(知ってしまったらショックを受けるリスクもありますが・汗)
正直お値段は可愛くありません。
ただ、パワーメーターと同じような金額だよな?と考えてしまうと、手を出してしまいそうになる自分がいて怖くなりますね・・・。
2.実は他にも類似品が存在していた(Velocomp AeroPod+ CdAパワーメーター)
今やパワーメーターは数多くの製品が存在していますが、他にも空気抵抗を計測できるメーターってあったりするのかな?ということで調べてみたら、ありました。
Velocomp AeroPod+です。
NOTIOのメーターと同じように、先端に飛び出ているピトー管が特徴的ですね。
で、なかなか情報も少ないようで、間違っている点もあるかもしれませんが、確認できた範囲ではこんな感じだそうです。
- 空気の流れをピトー管を使って計測する点はNOTIOと同じ。
- 他にパワーメーターや速度メーターと連携させる必要がある点も同じ。勾配データーを計測、活用する
- タイヤの空気圧や種類も設定することで転がり抵抗も計算に活用しているようで、単純に速度とマッチさせるNOTIOとは違う? 計測精度は高いかもしれない?
- 空気抵抗(CdA)のリアルタイム表示が可能。NOTIOと同様に、ライド後に専用ツールを用いた詳細な解析も可能
発売はこちらの方が早いようで、国内での実売価格もだいぶお安いですね。
ロードバイク本体は今やエアロ一色になってきた感が否めませんので、パワーメーターのように今後は空気抵抗が計測できるメーターも新製品が登場して普及期に突入したりするのでしょうか?
個人的には欲しいと思いつつも、最近はめっきりローラー台の比率が上がってきたこともあり、コロナが完全に鎮静化されるようになるまではお預けですかねー。
パワーメーターも4iiiの製品が国内でも普通に購入できるようになり、かなり身近&お手頃な製品になってきた気がしますので、エアロメーターも製品が複数登場して、市場価格がこなれてくれると嬉しいところです。
コメント
コスカボは28km/h超えた辺りからエアロ効果でますから距離長くなると結構効きますね。サイコンSGX600だと気象データとパワー値、速度から算出したCdAが表示されますが、違いが分かるくらい数値が改善されます。
あとはポジション次第で大幅にCdAが下がります。下ハンを握っても体が伸びあがっていれば微妙ですが、下ハン握って頭を低く保ったまま走り続けると機材以上に差が出ます。
>たかにぃさん
おおー、気象データから割り出すというのはすごいですね。
この手の数値は、個人的には「絶対値の正しさ」よりも、「相対値としてどの程度変化するのか」が知りたい値になりますので、十分参考になる楽しそうな機能ですね。
実はGarminでもアプリとかでCdA値が算出できるものがあったりしないのかな・・・?
ポジション変更や服装変更、ホイール変更でどう変わるのか数値化できるのは、楽しそうですねー。