SHOKZから発売された骨伝導イヤホンのハイエンドモデル、 OPENRUN PRO。
同社の骨伝導イヤホンは TITANIUM、AEROPEXと3年にわたって使ってきましたが、ロードバイクにどんぴしゃなイヤホンだと感じています。
先日は OPENRUN PRO を室内で聴き比べしてみましたが、今回はライド、ジョギングと外に連れ出して使ってみましたので、その辺りのインプレをまとめてみたいと思います。
■ 着実に進化したロードバイクに最適な骨伝導イヤホン(OPENRUN PRO)
1. 装着感
まずは装着感から。
前モデルのAEROPEX でもその軽やかな付け心地には満足していましたが、OPENRUN PRO についても特に文句をつけるポイントはありませんでした。
耳にかける「アール」の枠曲はほんのわずかに大きくなったようで、AEROPEX よりもほんの気持ち「ゆったり」とかけられるようになりました。
私的には AEROPEX はジャストサイズで文句はありませんでしたが、ユーザの声を反映した結果なんですかね?
スピーカー部分は AEROPEX よりも数ミリ下に来るようになりましたが、特にそれで何か良くなった、悪くなったという印象もありませんのであまり気にするポイントではなさそうです。
細かいことを言うと、AEROPEX よりも 3g 重量増となったのですが、はっきり言って違いを体感することはありませんでした。
もともと軽い付け心地ですから、この差は言われないと気付かないレベルですね。
総じて装着感については「文句なし」でした。
2. 振動による肌ストレス
前回のレビューでも書きましたが、OPENRUN PRO になって低音がよく出るようになった結果、振動は AEROPEX よりも多くなりました。
TITANIUM ではこの振動が肌ストレスとなり、2〜3時間ぶっ続けで聴き続けると肌が「ぴりぴり」と疲れてきたのですが、AEROPEX では5時間ぶっ続けでもノーストレスでした。
さて OPENRUN PRO はどうなかったか?というと、まだ最長4時間ではありますが、まったくノーストレスで、杞憂に終わりました。
静かな室内で椅子に座って聴き比べると「あー、OPENRUN PRO になってぶるぶる震える度合いは増えたなー」と感じるのですが、実際に外に連れ出してみるとあまり気になるレベルではありませんでした。
ジョギングで1時間ほど使った際には、ストライドに合わせて体が上下動することもあり、スピーカー部分の微振動をそもそも実感することはできず。
ロードバイクのライドではどうか?と言うと、走行中にスピーカー部分に意識を集中すると、曲によっては AEROPEX よりも震えているかな?と体感することはできましたが、走りに集中している限りはまったく気になるレベルではありませんでした。
ライドで4時間ぶっ続けで聴き続けて帰宅した後、スピーカーユニットが当たっていた肌がピリピリと疲れることもなく。
実使用においては、実感するレベルでの「悪化」はありませんでした。
これは良い意味で予想を外してくれましたね。
3. 音質
細かな音質は前回のレビューを参考にして頂くとして、おおよそ以下のような印象でした。
- 20km/h〜25km/h くらいのスピードで走っている限りにおいては、明らかに AEROPEX からの進化を感じることができる。低音域の厚みが明らかに増している為、骨伝導イヤホン特有のスカスカ感は薄れ、全体のバランスがよく「普通に」聴くことができる。ボーカルも解像度も若干ではあるものの向上
- 風がない中であれば、30km/h〜35km/hくらいでも楽しく音楽を聴くことができる
- それ以上のスピード、もしくは向かい風が加わってくると音は聞こえづらくなり、あまり音楽を楽しめるレベルではなくなる。但しこれは OPENRUN PRO の問題ではなく、骨伝導イヤホン共通の課題であり、AEROPEX と比べれば明らかによく聞こえる
- 室内で聴き比べた時には、ボーカルの聞こえるレベルで揃えるとボリュームレベルは AEROPEX も OPENRUN PRO も同じレベルだったが、低音域の厚みが増した結果、実際にジョギングやライドに連れ出してみるとボリュームレベルを1つ下げた方がちょうど良いことが判明。これは耳に優しくて GOOD
- ちょうど季節的に風が強い日が多いのですが、向かい風だと AEROPEX だったら「そもそもこれは何の曲なんだろう?」と全く内容が分からないケースもあったが、OPENRUN PRO は解像感が上がったのと低音域がよく聞こえるようになったこともあって「そもそも曲名すら分からない」というケースは激減
総じて解像感が上がったことにより、AEROPEX よりも明らかに「よく聞こえる」ようになりましたし、結果として「楽しく聴くことができる」ようになりました。
そこまでスピードが上がらないジョギングでは AEROPEX との差を顕著に感じることができ、ノリノリで走れるようになりましたね。
4. バッテリー保ち
いや、10時間走りませんて。
まったく不安も不満もありません。
ライド当日になって「やば! 充電忘れてた!」という場合でも、急速充電により 20分の充電で6時間分のバッテリーを充電することが可能になりましたので、私のようなうっかりさんにもぴったり。
素晴らしいですね。
5. コスパはどうか
現在の Amazon で AEROPEX と OPENRUN PRO の価格差は約4000円。
音楽好きな人であれば、その差であれば OPENRUN PRO を選ぶことをお勧めします。
その位の価値は確実にあります。
今 AEROPEX 持ってるんだけど?という人は悩ましいかと思いますが、私のように「AEROPEX を2年使った」という人であれば、OPENRUN PRO を購入しても全く後悔しない位の音質向上を実感することができますので、買い替えをお勧めしますね。
音楽が好きで、ライド中にも音楽を楽しく聴きたいという人であれば、OPENRUN PRO を買っておけば間違いないですし、これで満足できなかったとしても、おそらく現時点ではこれ以上のイヤホンは存在しないと思います。
6. サマリ
今回実際にジョギング、ライドに連れ出して使ってみて実感したのが「解像感が上がり、バランスが良い為、聴きやすくなった」為に、「ボリュームを1つ下げて聴くようになった」という点になります。
AEROPEX でも問題に感じたことはありませんでしたが、環境音は問題なく聞こえますし、何よりボリュームレベルが下がったことによりライド後の聴き疲れ感が低減されました。
これって、実はすごいアップグレードだと思います。
表面的には「低域がよく出るようになった」というのが今回の OPENRUN PRO の売りになるわけですが、ローディーにとってのメリットとしては、「音楽を楽しみながらも、環境音がよく聞こえるようになった」「聴き疲れし辛くなった」という点になるわけですね。
AEROPEX でも十分すごいイヤホンだと思っていたのですが、想像を上回る出来の良さに正直驚きました。
ここまで来ると、次のアップデートって何があるんだろう?
ローディー的には、風切り音だけキャンセルする機能とかあったら最高なんですが。。。
ということで、これからイヤホン買おうとしている人、より良いイヤホンが欲しいと思っている人には文句なしにおすすめできるイヤホンだと思います。
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