徐々に気温も下がってきて、冬が近づいてきましたね。
冬場になると活躍するもの。
それはローラー台ではないでしょうか。
どうしても気温が下がって寒くなってくると、ライドに出ても長い距離を走れなくなってきます。
走っている時間は良いのですが、休憩で止まってしまうと寒さに勝てず。
そうなると、ノンストップでお店を目指して走り、帰路もノンストップで帰ってくる、というコースになりがち。
それだとそこそこの距離は走れるのですが、毎回同じお店に行くと飽きてきますし、それならと休憩もなく最初から最後までノンストップで走るようになり、距離が伸びなくなってくるんですよね。
そこでローラー台とともに活躍するものが、ローラー台用のショーツ。
今回は我が家にあるカステリとパールイズミのトレーニング用ショーツを比較してみたいと思います。
■ 室内トレーニング用のビブショーツ・ショーツを比較(カステリvsパールイズミ)
1. 仕様上の違いについて
そもそもインドアトレーニング用のショーツは通常のショーツと何が違うのか、という話ですよね。
各社製品によって微妙な違いはあるとは思いますが、通常のショーツとの違いはおおよそ以下のような感じになります。
- 常に全身に風が当たる外ライドと異なり、インドアトレーニング用のウェアはより高い通気性が必要となる
- 信号での一時停止もなく、(3本ローラーだと特に)ダンシングができないことから常にサドルに荷重し続ける為、パッドのクッション性が重要になる
がんがんにサーキュレーターで全身に強風を当て、固定ローラー台でトレーニングするというのであれば、特にインドアトレーニング用のウェアを用意する必要はないかもしれませんが、インドアトレーニングをより快適にしたいという人向けの製品ですね。
コロナ渦を受けてインドアでローラー台に乗る頻度が上がったこともあり、気がつけばパールイズミとカステリの2製品が手元に揃いましたので、今回は両者を比較してみたいと思います。
2. 履き心地
まずは、そもそもの履き心地から。
(1) 肌触り
まずパールイズミのショーツから。
サイドから太ももにかけてかなり広範囲にメッシュ生地が採用されている為、着圧が非常にソフトなショーツとなっています。
ではかなりゆったりフィットなのかというとそんなこともなく、生地のストレッチ性が非常に高いだけで、きちんと体にフィットしてくれて、ダブつくようなことは一切ありません。
柔らかくぴったり体にフィットしてくれますので、本当に快適な着心地です。
対してカステリ。
もともとカステリのウェアはフィット感が強いのですが、インサイダービブショーツもその例に漏れず、かなーりぴったりぴちぴちにフィットしてくれます。
生地はさらっとした極薄の生地となっています。
一見「硬質」な生地感なのですがストレッチ性が高い為、肌にぴったり張り付いてきます。
着圧は非常に高いものがあり、アンダーアーマー張りのコンプレッションが効いています。
パールイズミのベンチレーションパンツであれば、これを着て日常生活を送ることもできますが、カステリのビブショーツを着て日常生活を送りたいとは思いませんね。
(2) お腹周りの締め付け感
パールイズミはビブタイプではない通常のショーツになります。
その為、お腹周りはゴム留め。
私は痩せ型であまりお腹周りを窮屈に感じることがないのですが、パールイズミの通常のタイツ以上に、お腹周りの締め付けはソフトです。
それでいて、他のタイツのようにゴム紐を縛って締め付けるといったこともできません。
太ももやお尻含めぴったりフィットしてくれますので、お腹周りが大きめな人でもずれ落ちることはないとは思いますが、調整が一切効かないというのは気になる人には気になるかもしれませんね。
幸い私にはぴったりフィットしてくれますので、お腹周りの締め付け感がない上にずれ落ちることもないということで、ショーツとしてはかなり最高なフィット感となります。
対してカステリ。
こちらはビブショーツになりますので、お腹周りの締め付け感はゼロ。
パールイズミもかなり着心地もフィット感も良いですが、さすがにビブショーツの快適性には敵わないですね。
ライドに出かけると、トイレで不便に感じることもあるビブですが、インドアトレーニングではデメリットは皆無。
パールイズミからもベンチレーションビブパンツが発売されていますので、次回買い替えする際にはそちらにしてみようかと思っています。
(3) 腿部分の締め付け感
続いて太もも部分ですが、パールイズミはこちらも着圧感はソフトでありながらぴったりフィット。
とても快適です。
対してカステリ。
ぴちぴちです。
それで外を走ったらめっちゃエアロで良いんだろうな、とは思いますが、インドアですからね。
ここまでぴちぴちでなくとも良いかな、と思ってしまいます。
3. 通気性
通気性に対する考え方は、カステリとパールイズミでの違いが最も出ているポイントかもしれません。
パールイズミはメッシュ生地を多く採用することで高い通気性を実現。
カステリは極限まで薄い生地を採用することで、高い通気性を実現しています。
どちらも、通常のショーツと比べれば非常に高い通気性、透湿性を誇っていますので、そりゃもう快適です。
このまま外を走ったらスースーし過ぎてしまうのでは?と思うほど。
ただ、両者を比べてみると、通気性、透湿性に関してはパールイズミに軍配が上がるかと思います。
どれだけ生地を薄くしても、結局はメッシュ生地には敵うわけもなく。
ただ、両者を比較しない限りは気にもならない差だと思いますし、通常のウェアに比べればかなり高い透湿性を誇りますので、さすがインドアトレーニング専用品といったところでしょうか。
ちなみに、カステリのインサイダービブショーツは、あっという間に第二世代にバージョンアップされていまして、今ではサイドパネルがメッシュ生地に変更されています。
この辺りはカステリも少しでもより良いものにと改善してきているわけですね。
4. パッド(クッション性・フィット感)
続いて通気性と並んで重要となってくるパッドのクッション性。
パールイズミは最もパッドの厚い、ロングライド向けの MEGAII パッドを採用しています。
とにかくクッション性は高いです。
パールイズミのスタンダードなパッドである 3DRパッドだと、1時間以上のローラー台だとお尻に圧迫感を感じるようになるのですが、MEGAIIパッドだと、1時間半は余裕、2時間だと少しだけじわっ、とした圧迫感を感じるようになりますが、私は普段長く乗ってもローラー台だと2時間でお腹いっぱいですので、十分なクッション性となります。
他方、厚みのあるパッドになりますので、ケイデンスを上げて行くとお尻の下でパッドがズレる感覚はありました。
ペダリングが上手で体幹がしっかりしたローディーであれば全く問題ないと思いますが、私のようにペダリング下手くそローディーの場合、ケイデンスを上げていくとお尻がどうしても動いてしまいますので、そんな時にパッドのズレが起きてしまいうわけですね。
こればかりはソフトな着心地とのバーターなのかな、と思っています。
続いてカステリのパッド。
こちらはカステリのスタンダードなKiss Air2パッドを採用しています。
カステリのレース向けハイグレードモデルにはProgetto X2 Airパッドがありますが、むしろロングライド向けにはKiss Air2パッドの方がクッション性が高く快適ですので、インドアトレーニング用としてはKiss Air2パッドが合っていると思っています。
Progetto X2 Airパッドは、より通気性を高め、ペダリングを妨げないようにより薄めなパッドであるにも関わらず高いクッション性を誇るという、より多機能を詰め込んだモデルとなっていますので、単純にクッション性だけ考えたらKiss Air2パッドが上だと感じています。
私はこのKiss Air2パッドが大のお気に入り。
おかげさまで今やすっかりカステリのビブタイツだらけになっております。
インドアトレーニング用としてもこの高いクッション性に期待していたわけですが、Kiss Air2パッドだとローラー台に2時間乗ってもへっちゃら。
それでいてビブでパッドはぴったりお尻に引っ張り上げて固定していることもあり、どんなにケイデンスを上げてもお尻の下でパッドがズレる感覚はありません。
パッドに関してはパールイズミも十分に及第点ではありますが、カステリの方が上だと感じています。
ちなみにインサイダービブショーツが第二世代にアップグレードされましたが、それに伴いパッドもProgetto X2 Airパッドになりました。
インドアトレーニング用にウェアを購入する層はシリアスライダーが多いでしょうから、製品の性格上は正しいアップグレードなのでしょうが、個人的には Kiss Air2 のままの方が良かったかな、と少し残念。
5. ペダリングへの影響
最後にペダリングへの影響について。
パールイズミはソフトの着圧からペダリングへの影響は皆無。
ケイデンスを上げた走りをすると、パッドがズレることもありますので、パールイズミのベンチレーションパンツを履く際にはあまりそういった乗り方はしないようにしています。
対してカステリ。
着圧は非常に高く、太ももにもぴったりフィットしてくるわけですが、これがまた不思議とペダリングへの悪影響は一切なかったりします。
生地のストレッチ性が高いおかげでしょうか、普通に立っている時には「きつ目な着心地だなー」と感じるのですが、一度自転車に乗ってペダリングを開始するとそんなことは一切感じさせることもなく。
ほんと不思議なウェアです。
どんな下手くそな乗り方をしてもパッドがズレることもありませんし、純粋にトレーニングのことを考えるのであればカステリのウェアは最高ですね。
6. サマリ
それぞれ個性のある製品となりますが、個人的には以下のような使い分けをしています。
- 淡々と漕ぐようなベーストレーニングを行う日には着心地も快適なパールイズミのベンチレーションパンツを使用
- SSTやインターバルトレーニングのような少し強度を上げて走る日には、カステリのインサイダービブショーツを使用
パッドを含めた機能性を考えるとカステリが一枚上なのですが、純粋に快適な着心地のパールイズミも捨てがたく、低負荷で走る場合にはパールイズミを手に取ることが多かったですね。
最近になって、カステリの秋冬用のビブについてはワンサイズアップのものを購入したのですが、それはそれで全然アリなんですよね。
今使っているものがヘタってきたら、カステリに関してはワンサイズアップで快適性を追求、パールイズミに関してはパッドのズレ防止の為にビブタイプのものを購入すれば完璧なのでは?なんて思っています。
いずれにしても、どちらを購入しても後悔はない良い製品となっていますので、インドアの頻度が高いローディーであれば、専用品を購入してトレーニングをより快適なものにしてみてはいかがでしょうか。
コメント
いい〇〇の月が過ぎてライドに出かけるにも若干気遅れしてしまいますが
今年は低ハイトのパナモリが手に入ったので季節風の中でも出かけるかも!
ただし・・・やっぱり寒いので室内での西城秀樹ローラーは欠かせません。
外ではメタボ体型のため重ね着していますが室内では見た目も気にせずに
さらけ出せるのでこの様な比較記事は有難いと思う反面固定ローラーでも
ポタリングの私に費用対効果が見合うのか?とも思う自分が居ます・・・。
>老爺さん
我が家のローラー台も、西城秀樹が重なって見えてしまうではないですか・笑
私も以前は「FTPあげるぞ!」とローラー台に頑張って乗っていた時期がありましたが、今はシンプルに「天気の悪い日に自宅で乗る用」「運動不足にならない為に乗る」と、肩肘張らない乗り方に変わってきました。
そんな乗り方ですが、専用品はやっぱり快適で良いですよー!