先日のバージョンアップにより、ガーミンの Edge1040 でもクライムプロ2.0 が使えるようになりました。
そもそもガーミンのクライムプロというのは、事前に登録されたコース上に存在する上り坂について、各種データを提供してくれる機能なのですが、Edge540 / 840 の発売に合わせて「2.0」にバージョンアップ。
事前に登録されたコースでなくとも、走行中のルート上で上り坂を検知すると勝手にクライムプロ機能が起動してくれるという便利機能になりました。
実はほぼ同じようなタイミングでワフーの ELEMENT ROAM でも同様の「サミットフリーライド」という機能が追加されました。
今回は、この両社の機能を比較してみました。
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■ ガーミンとワフーのクライミング機能を比較
1. クライムプロ2.0について(ガーミン)
まずはガーミンのクライムプロから。
コース上に以下の条件に合致する上り坂が検知された場合に、クライムプロの機能が起動します。
- 距離500m以上
- 平均勾配3%
画面はデフォルト設定ではこんな感じ。
地図が最上段に表示され、真ん中に上り坂に関する各種情報(平均斜度、距離、上昇量)が、下段に勾配と高度が表示されています。
下段に表示する2つの項目については、自由にカスタマイズ可能となっています。
2. サミットフリーライドについて(ワフー)
続いて、ワフーELEMENT ROAM のサミットセグメントについて。
タイム、残りの上昇距離、残距離、勾配、残り時間が表示され、下段には坂のプロフィールが表示されています。
クライムセクションとして認識する対象については、実はガーミン社と共通。距離500m以上、平均勾配3%以上であればクライムセクションとして認識され、サミットセグメントの機能が起動されます。
3. 実走で比較してみた
ということで、実際にライドに連れ出して比較してみました。
(1) クライムの認識対象
まずはクライムセクションとして認識される対象について。
坂として認識される条件は両社同じ基準になっていますが、実際に走ってみたところ結果としては両社同じでした。
いずれかがクライムセクションとして認識されるのに、もう一方では認識されない、といったことはありませんでした。
この辺りは基準が同じなだけに違いはないようです。
ただ面白いな、と思った点が一点ありました。
事前にコース登録されていれば、Edge1040 でもクライムプロはセクションに到達する度に起動されるようになっているのですが、以前二つのデバイスともにコース登録をしたうえでライドに連れ出したところ、クライムセクションとして認識される対象は同じでした。
我が家の近くに、ちょうどぎりぎりでクライムセクションとして認識されない坂がある(斜度は十分なのだが、距離がわずかに500mに届かない)のですが、その際には Edge1040 でも ELEMENT ROAM でもクライムセクションとして認識されませんでした。
その後何度も ELEMENT ROAM を連れ出した際にも坂としては認識されず。
今回 Edge1040 がクライムプロ2.0 に対応したということで連れ出したところ、Edge1040 ではその坂をクライムセクションとして認識するではないですか。
ガーミンとワフーでは微妙に判断ロジックが違うのかな?と思っていたら、少し遅れて ELEMENT ROAM でもクライムセクションとして認識され、サミットセグメントが起動するではないですか。
何とも、その「ガーミンさんが坂道や言うなら、私もそこは坂道として認識しますよ」と言っているようで、何とも面白かったですね。
ちなみに、その坂道がこちら。
上り坂は400mほどで約30m登る為、おそらく平均斜度も8%近くある、そこそこパンチのある坂なのですが、何とその前後のフラットなコースも含めて総距離1.05kmのクライムセクションとして認識している模様。
それはそれで、何か違うような気もするのですが・・・。
いずれにしても、ガーミンもクライムプロ2.0 になる前はこの坂道はクライムセクションとして認識していませんでしたので、クライムプロ2.0になって地図データをアップデートするのに合わせて、判断ロジックを変更してきた可能性があります。
で、それに合わせて(?)ワフーも機能をアップデートしているようで。
両社ともに日々見直しをかけているんですね。
(2) クライムの認識傾向
クライムセクションの認識対象については両社ともに違いはありませんでしたが、同じクライムセクションであっても、ガーミンの方が上り坂の手前の平坦路もクライムセクションに含む傾向が強いに感じました。
ワフーは、上り坂が始まるぞ!というタイミングでセクションが開始されるのですが、ガーミンは「まだ上り坂の大分手前だよね?」という平坦路の段階からセクションが開始されることがありました。
また、ワフーは上り坂を上り切ると「セクション完了!」となるので、体感にも近いものがあるのですが、ガーミンは上り切ったあとしばらく平坦を走ってからセクション完了になることがありました。
この辺りはガーミンの「癖」のようなものを感じましたね。
また、両社ともに「優秀だな」と感じたのが、目の前に複数のクライムセクションがある場合。
例えば多摩川や尾根幹の近くにある有名なスポットである連光寺坂。
多摩川からアクセスする場合、交差点で右折してからクライムセクションに入るのですが、そのまま直進しても上り坂になっている為、ガーミンもワフーも、最初は直進する方の坂道をクライムセクションとして表示してきます。
ガーミンの画面だとこんな感じ。
連光寺坂は交差点を右折した先にあるのですが、直進コースをクライムセクションとして認識しています。
交差点の信号を渡って右折待ちの状態。
まだ「直進するんだよね?」と思っている状態。
その後交差点を渡って右折すると、数十メートル進んだところで「あー、連光寺坂に行くのね」ということで、さくっとクライムセクションを切り替えてくれます。
なかなか優秀ですね。
画面としてはスクリーンショットが撮りやすいのでガーミンで説明しましたが、このクライムセクションを切り替えるスピードは、ワフーの方がワンテンポ早かったりします。
ただ、ガーミンの方が、「もしかしてここにクライムセクションあるけど、来る?」みたいな感じで「可能性のあるもの」は先回りして表示してくれる傾向にありました。
いやいや、全然そんな道に行くつもりもないし、しかもその道はそんなにメジャーなコースでもないんですけどね、みたいなこともあるのですが。
ガーミンが表示してくるセクションを気に向くままに走りまくる、というのも面白いかもしれません。
(3) 画面の見やすさや機能について
この辺りは個人の好き嫌いが分かれそうなところではありますが。
- 上り坂のプロフィール(断面図)については、ワフーの方が見やすい。ガーミンも「今いる場所」は分かるのだが、ワフーの方が登った分を網掛けしてくれるのでパッと見た時に見やすく分かりやすい
- 表示されるデータについても、残りの距離、上昇距離が見やすい点でワフーに軍配
- ワフーは斜度表示を小数点一桁まで実施するがガーミンは小数点表示はなし。この一点だけでも坂好きな人にとってはワフーを選択する理由になりそう
- ワフーはマップ表示は画面を切り替える必要があるが、ガーミンは同じ画面で確認できる点が良い。初めて走るコースでクライム機能が起動された場合、上り坂の途中に分岐がある場合にどちらに行けば良いかが分からないことがあった為、ワフーでは画面を切り替える必要があった。ガーミンの場合は同じ画面でどちらの道に行けば良いかがすぐに分かる点で優秀
ということで、クライム機能そのものに関してはワフーの方が見やすいと感じていますが、マップを同時に表示できる点ではガーミンに軍配が上がることに。
こうしたことから、個人的には以下のように感じています。
- 走り慣れたコースを走る際には、ワフーのサミットセグメントの方が画面が見やすくて使いやすい
- 初めて走るコースの場合には、同時にマップ表示もできるガーミンの方が安心
人によっては「余計な機能」と思われるかもしれませんが、個人的にはこういったクライム機能は「あと何m走れば良いのか」が分かる点とか、ペース配分を考える助けにもなることからとても便利な機能だと感じています。
ほんと、よく考えられた機能です。
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