ガーミン ForeAthlete 745 のハードスペックについてのインプレ(Vivoactive3 Music と比較)
色々と紆余曲折がありながらも我が家に迎えることとなった ガーミン ForeAthlete 745。
これまで使っていた Vivoactive3 Music と比較しながら3週間ほど使った現段階でのファーストインプレッションをまとめてみたいと思います。
1. ガーミンのスマートウォッチに求めるもの
まず私がスマートウォッチに求める点としては、ざっくりこんな感じです。
- 睡眠のログ(熟睡・レム睡眠・浅い睡眠)が取得できる
- スマホの通知が確認できる(タイトルだけでなく最初の数行も)
- ロードバイクに乗った時に心拍計になる(心拍転送モード)
- スーツ姿でも違和感のない見た目
- 日々のライフログがガーミンエッジと統合管理できる
最低限として求めるものはこの辺りでしょうか。
ロードバイクに乗った際に、ガーミンエッジと連携できる心拍計としての機能や、ログの統合などを踏まえるとアップルウォッチやスントなど他メーカーは選択肢になりません。
ガーミンのラインナップから、どのスマートウォッチを選択するか、ですね。
これらの基準に照らすと、これまで使っていた Vivoactive3 Musicも十分合格だったわけですが、ForeAthlete 745 がどうだったのかまとめてみたいと思います。
2. ハードウェアスペックについて
細かな仕様は公式サイトを確認していただくとして、個人的に気になった点などをまとめてみました。
まずはハードウェア面から。
(1) 重量と装着感
まずは重量の比較から。
公式重量 | 実測重量 | |
Vivoactive3 Music | 39g | 51.7g |
ForeAthlete 745 | 47g | 58.4g |
ベルトについては標準付属のものから、ミラネーゼベルトに換装してる為、公式とは重量が変わっています。
純正ベルト使用時には、ForeAthlete 745 に変えると8g増量することになりますが、ミラネーゼベルトに換装した場合だと、その差は 6.7g。
腕につけていても、重さが変わった感覚はあまりありません。
つけ心地という観点からは、いずれもお気に入りのミラネーゼベルトに換装していますので、ストレスフリー。
ただ一点だけ、明らかに Vivoactive3 Music の方が優れていた点があります。
それは、長袖の場合の「袖口のひっかかり具合」です。
ForeAthlete 745 に変えてからの方が、Yシャツの袖や普段着のパーカーなど、圧倒的に「袖口に引っかかる」ようになりました。
まず公式のサイズ比較がこちら。
Vivoactive3 Music | 43.1 × 43.1 × 13.6mm |
ForeAthlete 745 | 43.8 × 43.8 × 13.3mm |
厚みに関しては、Vivoactive3 Music の方が 0.3mm厚いとされています。
ただ、実際にフラットな面に双方並べてみると状況は異なります。
厚みにすると1mm違うかどうかかと思いますが、厚みは ForeAthlete 745 の方があります。
また、この厚みの差以上に袖に引っかかりやすくさせているのは、ウォッチフェイスの端の処理。
こちらがVivoactive3 Music。
ウォッチフェイスがラウンド形状になっており、滑りやすいガラス面が袖口に当たった時にも「するっ」と滑って袖に引っかかりにくくなっています。
この引っかかりにくさの度合いは、ラウンドフェイスを採用した Vivoactive3 Music がガーミンのスマートウォッチでは No.1 なのではないでしょうか?
こちらが ForeAthlete 745。
気持ち厚みが増しているのと、角のカクカクした処理が災いして、引っかかりやすくなっていると思われます。
とはいえ、ForeAthlete 745 が引っかかりやすいというよりは、今まで使っていた Vivoactive3 Music が殊更優秀だった、というのが公平な評価なんだろうな、と思います。
(2) バッテリー保ち
まず公式のバッテリー保ちについてはこちら。
モード | Vivoactive3 Music | ForeAthlete 745 |
スマートウォッチモード | 最大7日間 | 約7日間 |
GPSモード | 最大11時間 | 約16時間 |
GPS+音楽モード | 最大5時間 | 約6時間 |
UltraTracモード | – | 約21時間 |
GPSモードで大きな違いが見られますが、全体的に同じような電池保ちのようですね。
実際に使用した実感からすると、 ForeAthlete 745 の方が保ちは良いです。
ただ、Vivoactive3 Music は丸2年使用してきましたから、公平な評価はもうできなさそうですが。
- ほぼ毎日、平均すると1時間程度のアクティビティを実施(GPSを使用)
- アクティビティ実施時、3回に1回は音楽再生機能も使用
- ウォッチフェイスは「WeatherFace」を使用。45分に一度天気情報を取得するAPIが起動するとともに、毎分心拍数を更新表示するもので、ノーマルなウォッチフェイスに比べると電池消費は気持ち大きめ
こんな使用状況だと、4日〜5日に一度充電する(5日目に10%〜20%になる)サイクルでした。
アクティビティがない週であれば、ほぼ1週間保つというのも嘘ではなさそうです。
充電は30分くらいで満タンになりますので個人的にはほとんどストレスはないですね。
(3) 操作性(タッチパネルと物理ボタン)
ForeAthlete 745 にはタッチパネル機能がありません。
代わりに、選択する為の「UP / DOWN」ボタンと、決定する為のボタンが用意されています。
Vivoactive3 Music から変更した時に一番大きな違いがこの操作性でした。
タッチパネルだと上下にスワイプすることでアクションを選択し、そのまま画面をタッチすれば決定できるのに対して、物理ボタンだと UP / DOWNボタンで対象を選択し、当該アクションに到達したら選択ボタンを押す必要があり、3つの異なるボタンを押し分ける必要があります。
また、「戻る」のアクションもタッチパネルだと右から左にスワイプすれば良いのに対して、物理ボタンだと BACK ボタンを押下する必要があります。
- 直感的に、少ない回数で操作を完了できるのはタッチパネル
- 冬場手袋をしたままでも操作できるのは ForeAthlete 745 の物理ボタン。
- 画面が指紋で汚れる Vivoactive3 Music に対して、ForeAthlete 745 は常に画面はクリーン。
操作性に関しては、どちらか一方が優れているというよりは、良し悪しといったところでしょうか。
(4) 音
Vivoactive3 Music からは音は出ませんが、ForeAthlete 745 からは音が出ます。
- タイマー設定時。起床タイマーはバイブレーションだけでなく音を出すことも可能に
- ランニングの時に、ラップを刻んだ際にバイブレーションだけでなく音を出すことが可能に
- Bluetooth でイヤホンを接続している場合、ラップを刻んだ時にラップタイムやスピードを音声でアナウンスしてくれる
これは意外と便利でしたね。
私はジョギングしている時には骨伝導イヤホンと接続しているのですが、ラップ毎に情報を伝えてくれる機能はほんと便利です。
スマホのランニングアプリやロードバイクアプリとペアリングすれば同等の機能があったりしますが、スマートウォッチで身軽に実現できるのは良いですね。
この辺りはスポーツ向けに特化している ForeAthlete シリーズならではといったところでしょうか。
(5) ディスプレイの見易さ
実は今回もっとも感動した点の一つがこちら。
ディスプレイの見易さです。
この辺りは公式サイトを見てもよく分からないんですよね。
ディスプレイの見易さに繋がっているのが、今回ガラス素材に採用されたゴリラガラスDXになります。
以下、公式サイトの情報になります。
Vivoactive3 Music | 特殊強化ガラス(Corning Gorilla ガラス3) |
ForeAthlete 745 | Corning Gorilla ガラスDX |
日本公式サイトだと、Vivoactive3 Musicのガラス素材は「特殊強化ガラス」とだけ記載されていますが、本国サイトだと、「ゴリラガラス3」だということが分かります。
ゴリラガラスといえば、iPhoneの画面に採用されている割れにくいガラス素材として有名ですよね。
以下、世代毎の違いから振り返ってみたいと思います。
- ゴリラガラス3(2013年):Vivoactive3 / 4、Venu、Vivomove Style、ForeAthlete 245など多くのガーミンスマートウォッチに採用されているガラス素材
- ゴリラガラス4(2014年):ゴリラガラス3よりも耐衝撃性を約2倍にアップ。1mの高さからアスファルト面に落とした際に、80%の割合で傷や割れが起きない程度の強さ
- ゴリラガラス5(2016年):ゴリラガラス4と異なる点として、高さ1m→高さ1.6mに対衝撃性がアップ。対傷性については同等レベル
- ゴリラガラス6(2018年):ゴリラガラス5よりも2倍の落下耐性を実現
こうやって見るとよく分かるのですが、実はゴリラガラス3以降は「耐傷性」に関しては同等レベルなんですね。世代を重ねる毎に落下耐性を高めてきているのですが、そのあたりはスマートフォン向けを意識した素材ということで納得です。
おそらく、ガーミンとしてはスマートウォッチに求められるのは落下耐性よりは対傷性ということで、ゴリラガラス3を採用しているのでしょうね。
で、ForeAthlete 945以降で採用されることとなったゴリラガラスDXは何なのさ?ということなのですが、こちらはゴリラガラス6と同じ2018年に発表された新素材となっています。
この新たなガラス複合材は、定評あるGorilla Glassのタフさとタッチ感度はそのままに、光学的透明性を大幅に高める反射防止機能および最高クラスの耐擦傷性を備えた製品です。
ざっとまとめるとゴリラガラスDXとはこんな素材になります。
- 可読性を向上させるために開発されたガラス素材。
- DXで単独の素材なのではなく、既存のゴリラガラスと組み合わて使用する複合材
- 表面反射率を75%向上させるとともに、同じ画面の明るさの下では表示コントラスト比を50%アップ
- 光学的な透明性を高めることで、バッテリーの長寿命化にも貢献している
- 耐擦傷性については従来のゴリラガラスと同等
カメラ用レンズなどでは、レンズ鏡胴内での内面反射を抑えることでコントラストを上げるような素材やコーティングは昔から開発されてきたものになりますが、ゴリラガラスもスマホやスマートウォッチに採用されるガラス素材に求められる要素として、新たな取り組みを進めていたわけですね。
で、それってどんだけ違うものなの?という話ですが、百聞は一見に如かず。
こちらになります。
まずは真上から見た状態。
この状態だと、よくよく見ると下段の ForeAthlete 745の方が文字盤のコントラストが高くて見易くなっているのですが、言われてみないと気づかないかな?というレベルかと思います。
それでは内面反射をわかり易くする為に、若干斜めから撮影してみます。
はい。
違いは歴然ではないですかね?
右側にある Vivoactive3 Music の方が、ガラス面の反射により明らかにディスプレイのコントラストが低下してしまっているのがよく分かるかと思います。
反対側からも撮影。
室内照明と外光、それぞれ反射している光の質が違いますので色味が異なっていますが、ディスプレイのコントラストが低下しているのはどちらも同じです。
購入後、ウォッチフェイスを変更したりして画面を見ながら設定をいじっている時に感じたとても大きな違和感。
「ディスプレイの解像度上がったっけ?」
「めっちゃ見易くなってるんだけど」
という第一印象はある意味正しくもあり、間違っていたわけですね。
今回、ディスプレイの解像度は全く同じなのですが、歴然とした見え易さの違いは反射を抑えることにより実現されたコントラストの向上でした。
ほんと、これは感動するくらい違います。
これだけで一気に満足度が向上しましたね。
ガーミンさん、この点についてはもっと分かりやすくアピールした方が良いと思いますよ?
本当は一回で全てまとめようと思ったのですが、思っていた以上に書き始めたら長くなってしまいましたので、いったんここまで。
次回はアクティビティ機能についてまとめてみたいと思います。
コメント
ゴリラガラスDX良さそうですね。
ForeAthlete 620Jを素のままで7年程使っていますが傷はありません。良いガラスだなと思っていましたが、そこから見易さが良くなってバッテリーの持ちに貢献するのは魅力的です。
今回一番のサプライズが、画面の見易さでした。
これならvenuのようなLEDでなくとも満足できそうな気がしています。
ガーミンも、もっとアピールしても良いと思うのですが。