個人的にはとても買えないもので、まったくノーマークでしたが。
ガーミンから超弩級スマートウォッチ、MARQシリーズの第二世代モデルが発売されました。
第一世代が発売されたのが 2019年6月。
製品寿命の短いスマートウォッチで 20万オーバー(モデルによっては30万越え)というのが私のような庶民にはなかなか理解できない世界ではありますが、シンプルに「格好良い」「高級感がある」という点だけは素晴らしいな、と思って指を咥えて眺めていました。
ただ、高級時計としては従来型のMIPディスプレイは高級感に欠けるので微妙だな、と思っていたところ、その4ヶ月後に AMOLEDディスプレイを採用した Venuが発売されたもので、「ガーミンさん、なんで あと半年辛抱してMARQシリーズに LEDディスプレイ採用しなかったのさ」と不思議に思って眺めていたものでした。
そして今回。
第二世代としてLEDディスプレイを採用し、真の意味での「高級感」を身に纏った MARQシリーズが発売されました。
いやほんと、格好良いです。
■ ガーミンからLEDディスプレイを採用した MARQシリーズ(第二世代)が発売
1. MARQシリーズは5つのラインナップ
MARQシリーズは5つのラインナップとなっています。
- Golfer:ゴルファー向け
- Athlete:アスリート向け。ランナーやローディーはこのタイプですね
- Adventurer:登山家、冒険家に向けたアウトドアウォッチ
- Aviator:パイロットに向けたパイロットウォッチ
- Captain:船旅、ヨットレースを意識したマリンウォッチ
こうやって見てみると、かなーりニッチ向けな製品となっています。
昔ながらの腕時計でも、こういったマリンウォッチやパイロットウォッチってありますけど、デザイン重視で一般人が買う以外の、本来のユーザってどれくらいいるものなんですかね?
ハイエンドなマスプロ向けとして一定の数が出るとしたら、GolferとかAthleteくらいなものでしょうか。
2. 売りのポイント
今回の売りは、何といってもハードウェアとしての本体そのもの。
- ステンレスの1.5倍の強度を誇るグレード5チタンを採用した頑強なケース
- 高いデザイン性を実現するドーム型のサファイアクリスタルレンズ
- タッチスクリーンを採用した美麗な AMOLEDディスプレイ
中身はスマートウォッチですし、ディスプレイも LEDを採用していますが、チタンのケースを採用したり、レンズ部分はデザイン性を追求したドーム型のサファイアレンズだったり。
所謂高級腕時計そのものとなります。
こういったハード部分にお金がかかっているわけですね。
3. 高級モデル「epix」とは何が違うのか?
ケースがフルチタンというだけで、かなーり高級感漂いますが、ガーミンには同じようにプレミア感満載のモデルが他にあります。
そう、epixシリーズです。
お値段にすると、MARQシリーズの半額以下ではありますが、それでもスマートウォッチとしては立派な10万超のプレミアムなお値段。
epixシリーズに近いモデルとして、MARQ Athleteとの仕様上の違いを見ていきたいと思います。
(1) ケース本体
最大の違いは、やはりケース本体となります。
分かりやすいところで、背面から見た写真を並べてみました。
左が MARQになりますが、フルチタンの為ケースの周辺部分もチタン。
対して epix のケースは DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングチタンとなっていますが、その対象はベゼル表面とケース裏側だけ。ケース周辺は繊維強化プラスチックとなっていますので、その辺りの高級感にはかなりの違いを感じます。
高級モデルということでサイズも MARQが大きいかと思いきや、実は epix の方がサイズは大きいようです。
epix Ti | MARQ ATHLETE | |
サイズ | 47 x 47 x 14.5 mm | 46 x 46 x 15 mm |
ディスプレイ サイズ |
直径1.3インチ(33.02 mm) | 直径1.2インチ (30.4 mm) |
解像度 | 416 x 416 ピクセル |
390 x 390 ピクセル |
重量 | 70g | 85g |
ちょっと意外でした。
その他、防水等級やメモリといったその他の仕様はほぼ同じとなっています。
バッテリー持続時間も、実はほぼ同じ。
一部マルチGNSSモードの持続時間が MARQの方が長かったりしますが、基本となるウォッチモードや常時表示モード等は全く同じ時間となっていますので、内部のハードウェアについてはほぼ同じものを採用している可能性が高いですね。
一点、微妙に違うのが充電端子の仕様。
先日発売された vivomove Trend でワイヤレス充電に対応するだけでなく、充電端子の形状についても従来型から変更を加えてきたガーミンさん。
今回の MARQシリーズでも充電端子を変更してきました。
マグネット式ということですので、着脱はかなり楽にできそうですが、充電端子としてはちょっとサイズが大きそうですね・・・。
スマートウォッチとして、普通に使えば2週間以上は保つわけですが、常時表示モードにすると6日間ですし、旅行に持ち歩くにはちょっと不便なケーブルになりそうですね・・・。
(2) 健康モニタリング機能
心拍測定や睡眠モニタリングといった、各種健康モニタリング機能に関しては、両モデルの間に仕様上の違いはありません。
(3) センサー機能
GPSや気圧高度計、コンパスやジャイロセンサーといった各種センサー類に関しては、両モデルの間に仕様上の違いはありません。
(4) デイリースマート機能
通知機能やカレンダー、スマートフォン音楽再生といった日常使いの便利機能についても基本的に違いはないのですが、仕様上一点だけ違いがありました。
株価トラッカー機能。
最大50種類の株価情報3をウォッチで確認できます。ウィジェットを一目見るだけでその日の株価やトレンドを簡単にモニタリングできます。
いや、スマホで見るかな・・・。
基本的に、あまり違いはないと見て良いかと思います。
(5) 安全および追跡機能
ガーミンといえば LiveTrack。
アクティビティ開始と同時に、今どこにいて何をやっているかを他の人に連携する機能で、我が家でもライドに出かけると奥様にしっかり監視されております。
急な衝撃が加わったり、不可解な動き(急に停止して逆走・バックしたり等)を検知すると、事故が起きたと判断して連絡先に通知を入れてくれる事故検出機能は、ソロでライドする私のような人間にはとても便利な機能だったりします。
この辺りの機能についても、両モデルの間に差異は確認できませんでした。
(6) ライフログ機能
ステップ数、消費カロリー、昇降数といったライフログを記録する機能についても、差異は確認できませんでした。
(7) ジム&フィットネスアクティビティ機能
ジムで使う便利機能に関してですが、仕様表だけ見ると、アクティビティ種類の「ブレスワーク」に関してはMARQ シリーズのみ対応しているように見えますが、こちらは epix も対応しているものになりますので、この点についての差異はありません。
細かく見ていくと「鍛える筋肉の部分をグラフィックスで表示する機能」については、MARQのみ対応しているように見えます。
ちょっと細かな機能過ぎてマニュアルからも詳細確認できません・・・。
(8) トレーニング機能
心拍ゾーン、モーニングレポート、トレーニングレディネスといった各種トレーニング機能についてですが、一見すると MARQの方が対応範囲が多く見えるのですが、マニュアルベースで比較していくと、その後のアップデート等によりその差はなくなっているようです。
基本的に、ソフトウェアで実現できるものが多い為、発売当初なかった機能であっても、ガーミンさんは「センサーが対応していないからできない」といった理由がない限りは、ソフトウェアアップデートで機能を後から色々追加してくれるんですよね。
この辺りの「出し惜しみをしない」感じはとても素敵です。
(9) ランニング機能
ランニング機能に関しては、以下の機能が一見すると MARQ にはあって epix にはなさそうに見えます。
- トレイルラン自動クライム
- コースおよび天候別のレース予測
- ラン/ウォーク/静止時間検出
ただ、そもそもその機能が何のことを言っているのかが確認できませんでしたので、もしかしたら epix にもあるのかもしれません。
ちょっと、細かい機能になってくると、マニュアル上からだとよく分からないので、確認ができませんでした。
その他、主要な機能については差異はありませんでした。
(10) ゴルフ機能
私には縁のないゴルフ関連機能。
仕様表からは、epix にはない機能が幾つかあるのですが、こちらもソフトウェアアップデートで対応しているようで、機能差異はありませんでした。
(11) アウトドアレクリエーション機能
アウトドアに関するアクティビティの記録や、ナビ機能に関しても、仕様一覧では微妙な違いがありそうですが、色々調べてみると両機種で機能差異はなさそうです。
(12) サイクリング機能
本ブログで最も気になるサイクリング機能(スマートトレーナー操作含め)についてですが、機能差異はなさそうです。
(13) スイム機能
防水性能があるとはいえ、スマートウォッチのような精密機器をプールで使うのは躊躇われてしまいますが、スイム関連機能についても機能差異はなさそうです。
ガーミンは公式サイトで仕様を一覧公開してくれていますので、その点はとても有難いのですが、各種機能の名称が「直訳」であり、加えて同じ機能なのに機種によって異なる翻訳がされていたり、後からアップデートで追加された機能に関しては内容の更新が行われなかったりと、内容の正確性がイマイチな側面があったりします。
ソフトウェアの更新で時間の経過とともに内容が変わっていく製品に関しては、なかなか公式サイトの内容更新も追いつかない点もあるので致し方ないとは思いますが、今や仕様一覧も軽く250を超えるほど多機能になっていますので、内容を比較するだけでも四苦八苦・・・。
結論として、MARQシリーズとepixシリーズは発売年が近いこともあり、センサー類のデバイス性能に差がないことから、細かな機能仕様は基本的に同じと考えて良さそうです。
両者はほぼ倍の金額差(¥132,000と¥270,000)がありますが、それはフルチタン、ドーム型のクリスタルレンズといったケース周りの差になっているようですね。
この高級感はとても魅力的ですが、私のような細腕にこのサイズは厳しいんですよね・・・。
fenix7に対するfenix7s のように、MARQシリーズや epix シリーズにも、もう一回り小さなモデルがあればなー、なんて思うのですが、高級腕時計といえば「デカくてゴツい」というのがお決まりですから、製品需要がないのでしょうね。
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