ローディーにとっての朝食の重要性について
こういった食に関する研究った読んでいて楽しいです。
今回は、ローディーにとって朝食った大切だよ、という研究結果に関する記事となります。
こと「ダイエット」という観点では、「朝食を抜くと太る」「いやいや朝食を抜くと太るという研究は嘘だから」という様々な記事が巷に溢れていますが、ローディーにとってはどうなの?という話になります。
1. ダイエットに関する「1日2食問題」について
ことダイエットに関しては、1日2食にすると太るとか、1日2食の方が痩せられると、色々な議論が重ねられてきました。
(1) 朝食を抜くと太る説の論拠
まず、朝食を抜くと太りやすくなる理由として、以下のようなものが挙げられています。
- 朝食を抜くと空腹感が増してしまい、昼や夜に摂取する食事量(カロリー)が相対的に増えてしまう
- 朝食を抜くと空腹になる為、結果として午前中の運動量が減ってしまい、むしろ代謝が減ることで太りやすくなってしまう
- 朝食を抜くと空腹な時間が長くなり、次に摂取した食事の吸収が良くなってしまう
このような考え方に基づき、過去幾つもの研究が重ねられ、1日2食の人の方が1日の総摂取カロリーが増える傾向にあるとか、運動量は1日3食の人の方が上だったといった裏付けが行われてきたわけですね。
(2) 朝食を食べると太る説の論拠
で、ここ数年過去の研究結果をひっくり返すような説も出てきています。とダイエットに関しては、1日2食にすると太るとか、1日2食の方が痩せられると、色々な議論が重ねられてきました。
例えばこちらの記事。
要約するとこんな感じ。
- 新しい分析によると、朝食を食べた人は体重が減らなかったし、朝食を抜いた人も体重は増えなかった
- 朝食を食べると人は、1日平均260キロカロリー余分に摂取している傾向があり、体重も思い傾向にある
- 朝食を食べると代謝が良くなるという説があるが、朝食を摂る人はそもそも意識が高くもともと1日の運動量が高い傾向にあっただけ
従来のからの定説を真っ向から否定しています。
2. 「江戸時代まで日本人も1日2食だったよね」問題
ダイエットに限らず、朝食を抜いている人の話を聞くと、時々「だって昔は日本人も1日2食だったんだから問題ない」という話を聞くことがあるんですよね。
そりゃま、そうなんですが。
ただ、1日2食時代の日本人って、残りの2食(午前10時頃と夕方4時頃に食事を摂っていたようです)は、かなーーーーりがっつり食べてたんですよね。
そもそも江戸時代の長屋暮らしでは日が沈んでから暗い中で煮炊きをすることは現実的でなく、夕方日のあるうちにさっさと食事を済ませてしまう必要があったわけで、必要性があっての2食だったわけです。
食べる量はといえば、1人1日5合くらいは食べていたそうで。
しかも、ビタミンたっぷり玄米。
この頃はおかずが豊富だったわけではなく、それこそ毎食魚のようなタンパク質を取れていたわけでもありませんから、栄養不足を補う為には玄米を沢山食べていました。
そんな背景も知らずに「昔の人も2食だったんだから、朝食抜いても大丈夫」なんて言われても、と思うんですよね。
その後江戸中期以降1日3食になったきっかけが、江戸最悪の災害と言われる明暦の大火だったそうです。
職人たちは一日中働きづめ。しかも肉体労働で1日体を動かす必要がある為とても1日2食では足りないということで、この頃から職人が1日3食摂るようになり、その週間が徐々に庶民にまで広がっていったといわれています。
つまり。
着目すべきなのは「1日に何食食べていたのか」ではなく、「1日に必要なカロリーや栄養をどのように摂取していたか」なんですよね。
2食にするなら、その2食で摂取できるように考え。
運動量が増えてきて2食で摂取するのが非効率、無理があるとなったら3食に分けたわけです。
3. ローディーは朝食を抜くとパフォーマンスに悪影響が出る
さて、前置きが長くなりましたが。
今回の「ローディーは朝食を食べるべきか」という記事は、ざっくりこんな感じ。
- 朝食を抜くと、その影響で栄養素が不足する可能性がある
- 朝食を摂らない人は、葉酸、カルシウム、鉄分、各種ビタミンの推奨摂取量を満たしていない可能性が高い
朝食を摂らないプチ断食ライドをする人や、コーヒーだけ飲んでライドに出かける人がいるようですが、こういったローディーは、ライドでパフォーマンスを発揮する為に必要となるビタミン、ミネラルが足りてない可能性が高いよ、ということです。
この研究は米国の成人31,000人が参加したものだそうで、母数としては信頼性がありますね。
朝食抜きの人は、朝食をよく食べる人と比べて以下の傾向が確認されたそうです。
- 昼食、夕食、間食時のカロリー、炭水化物、飽和脂肪、添加糖の摂取量が有意に多い
- 葉酸、カルシウム、鉄、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンDなどの必須ビタミン・ミネラルの推奨摂取量を満たしていない可能性が高かった
葉酸は運動中の筋肉の血流改善に、鉄分は運動能力の向上に、ビタミンB群は運動後のエネルギー代謝や細胞再生に大きな役割を果たすということで、パフォーマンス発揮には必要なものとなります。
ただ、この研究結果についての指摘については十分注意を払う必要があるかな、と思います。
- ビタミン、ミネラルが不足する傾向については、これは朝食が特に栄養価の高い食品が多い為と考えられる
- 米国における朝食としてよく挙げられる、卵やオーツ麦、各種ビタミン・ミネラルが添加された朝食用シリアルはこれら栄養素を摂取するのに効率が良い
ほほーう・・・。
卵は毎朝食べますが、オーツ麦(オートミール)やシリアルは私は食べないですねー・・・。
この時点で、日本人にこの研究結果が当てはまるかは微妙な気がします。
4. 色々な研究結果から見えてくることとは?
こうやって幾つかの記事や研究結果を見てくると見えてくることがあります。
身も蓋もないのですが。
- 運動に必要なカロリーを摂取するよう心がけ、過剰なカロリーは摂取しない
- 食事の回数はどうでも良いので、必要な1日に必要な栄養素をきちんと摂取するよう心がける
これに尽きますね。
太る人は、朝食の有無や食事の回数云々以上に、摂取しているカロリーが多いか、1日の運動量が少ない傾向がある、という一点に尽きます。
朝食を抜いてもダイエットに成功している人は、昼食、夕食に過剰にカロリーを摂取しないようにできている人でしょうから。
ローディーの場合は、朝食云々というよりは、ライドの前後に必要なカロリーと栄養素をきちんと摂取する必要があるわけですが、一般論として「だったら栄養価の高い朝食はきちんと摂った方が良いよね」という話に尽きるわけですね。
以下の記事は、比較的バランスの取れた分かりやすい記事だな、と思いました。
- 賛否両論あるが、朝食を食べると体重が増えることを示した研究を知らないので、食べても害はない(問題は朝食を食べるか否かというその一点だけではない)
- 理想的な朝食は、タンパク質、全粒穀物、健康的な脂肪、果物または野菜の4つの要素を取り入れたものである
- 研究によると、タンパク質と脂肪は満腹感を高め、後で不必要な間食を減らすことができ、全粒穀物と野菜は栄養価の高い食物繊維、ビタミン、ミネラルを摂取できる
- 朝にトレーニングをするなら、事前に何か食べるようにしましょう。事前に栄養を補給しておかないと、トレーニングの質が落ちてしまいます
日本食の朝ごはん(白米、味噌汁、焼き魚、卵or納豆)は、これら観点からするとかなり奮闘していますよね。
白米を玄米に変えて、果物or野菜を追加すれば理想的な気がします。
昼食後からライドに出かけるということでもない限り、ローディーにとって朝食はとても大切、と考えた方が良さそうですね。
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