とっっっっても興味はあるものの、敷居が高くて手が出せないものがあります。
チェーンワックスですね。
完全に脱脂したうえで、溶かしたワックスにどぶ漬けする必要がある為、超えなければいけないハードルが沢山あります。
そんなワックスがけの一つの難所、完全なる脱脂処理について、Silcaが新しい製品を投入してきました。
これでチェーンワックスがより身近になるのでしょうか?
ちょっと興味があります。
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■ チェーンワックスをより簡単に脱脂することが可能に(Silca Strip Chip)
1. そもそもチェーンワックスとは何か
まず大前提として、チェーンワックスとは何なのか?についてのおさらいです。
チェーンの摩耗を防ぎ、より抵抗を小さくする為に、ロードバイクにおいてはチェーンに潤滑剤を塗布するのが一般的です。
お手軽かつ一般的なチェーンルブはオイルベースとなります。
チェーンを脱脂したうえで塗布し、オイルが切れる(流されてしまう)度に追加で塗布するわけですが、一般的なチェーンルブは 100km〜200kmほどで切れてしまいますので、その度に追加塗布する必要があります。
また、どうしても油は汚れを集めてしまう性質がありますので、一度でも外にライドに出かければチェーンは真っ黒に汚れてしまいます。
これに対して、ワックスは「汚れない」「長持ちする」という性質があります。
ワックスはオイルとは異なり、一度チェーンに付着してしまえば洗い流されることがない為です。
例えば SILCA のホットメルトワックスを使えば、チェーンの寿命を5〜6倍長持ちさせることができると謳っています。
チェーンの寿命は、そのライドスタイルやライダーの体重、脚力によって大きく異なってきますが、一般的には4000〜5000km程度と言われることが多いかと思いますが、SILCA のホットメルトワックスを使った場合は、最大 25,000km走行させることが可能となります。
またワックスは汚れを集めることもありませんので、チェーンが黒くなることもありません。
これってすごくないですか?
あくまでも「理論上」の話にはなりますが、新しいチェーンを購入したら、最初にワックスがけをしておけば、25,000kmの間、チェーンは黒く汚れることなく、高い潤滑性を維持したままメンテナンスフリーとなるわけです。
2. チェーンワックスの手順について
そんな素敵なチェーンワックスですが、最初にとても高いハードルがあります。
完全なる脱脂が必要、という点です。
新品のチェーンであっても、最初にメーカーが塗布したグリスが付着している為、まず新品のチェーンでも最初に脱脂する必要があります。
脱脂用の専用品が用意されていますが、これがなかなかハードルが高く、もし油分が残っていると、ワックスにどぶ漬けした際にワックスが綺麗にコーティングされないことになってしまいますので、脱脂は徹底的に行う必要があります。
人によっては、ガスコンロにキャンプ用のクッカーを乗せて、ぐつぐつお湯で煮込んで脱脂する人もいるようですが、それくらい「完全なる脱脂」には手間がかかっていました。
3. SILCA Strip Chipとは
今回SILCA から、この脱脂作業を効率的に行う製品として、Strip Chip という製品が発表されました。
見た目は板チョコですね。
6枚(チェーン6本分)で 24ドル。
1本につき4ドルですから、手間を考えるとリーズナブルかも?
こちらの製品を使うことで、新品のチェーンに付着しているグリスを分解してしまい、ワックスがチェーンに付着する際に「邪魔にならない存在」に変質させてしまいます。
グリスはチェーンにワックスが密着するのを「妨害する」性質があったわけですが、変質させてしまうことで「妨害されない」成分へ変えてしまうわけですね。
これは面白い。
4. SILCA のワックスシステム
で、その結果としてどんな作業手順に変わるのか?という話ですが、従来のワックスがけでは「脱脂→ワックスどぶ漬け」と勧めていた作業を、「いきなりワックスどぶ漬け」の一回で済むようにしてしまいました。
但し、Strip Chip を効果的に作用させる為には「75℃」に温める必要がありますので、クッカーを使うにしても、少し面倒な側面があります。
SILCA はその点をお金で解決してしまいました。
こちらが専用のチェーンワクシングシステム。
手順は以下のようになります。
- 新品のチェーンを用意
- SILCA のチェーンワックス(シークレットチェーンブレンド)400gをチェーンワックスシステムに投入する
- Strip Chip を1枚加えて、温度を125℃に設定。125℃に設定することで、Strip Chipが溶けて液体状になります
- 新品のチェーンをチェーンワックスシステムに付属するチェーンカプラーに引っ掛けてから溶けたチェーンワックスに投入、攪拌。10分間放置
- 温度を75℃まで下げる。75℃がチェーンワックスがチェーンに密着する最適な温度
- 75℃になったらチェーンを取り出し、吊るして冷ます
確かに、チェーンワクシングシステムを購入してしまえば、施工は楽ですね。
ちなみに、チェーンワクシングシステムのお値段は99ドル。日本では代理店の取り扱いもないようなので、正規ルートだと入手できませんね。
ワックス施工後は本当にメンテナンスフリーなのかと言うと、SILCA は「コーティング後のメンテナンスは、300kmを目安にチェーンの汚れを拭き取り、姉妹品のSUPER SECRET CHAIN LUBEの塗布が推奨です。SECRET BLEND HOT MELT WAXの効果を長く持続させるためには、この2品をセットで使用することが理想です」と謳っています。
一般的なオイルタイプのルブよりはメンテナンス頻度は低いとはいえ、300km毎に追加塗布必要となると、やはりメンテナンスフリーとはいきませんね・・・。
ただ、SILCA の主張に従えば、ここまでやっておけばチェーン1本で 25,000kmまで寿命を伸ばすことはできるそうですから、「デュラエースや RED の高いチェーンを長持ちさせる」という考え方であれば、手間暇かけて事前にワックスがけをしておくのはアリかもしれませんね。
ただ、そう考えると、私が愛用している Squirt Cahin Lube は、最初の完全脱脂が必要な点は変わりませんが、メンテナンス頻度は500〜600km毎で済みますし、潤滑性もかなり高いのでお手軽さでいったら Squirt に軍配が上がるかも?
チェーンワクシングシステムが日本でも購入できるようになったら、ちょっと試してみても面白いかな?とは思いました。
コメント
クルマでも雨が降るたびに新車の輝きになるというコーティングがあり
マウンテンバイクに施せれば丸ごと洗車するだけで済むのですが・・・。
メンテナンスフリーと言う言葉は無精者にとって実に嬉しい限りですが
手軽に長持ち出来る様だと売れなくなるのでメーカーも困るでしょうね。
>老爺さん
メーカーからすると、何度も使って、沢山消費してもらいたいですからね・・。
実は花粉症も、一発で治せる治療法があるけど、それをやると花粉症ビジネスが大打撃を受けるので云々、みたいな都市伝説もありますし。
メンテフリーで1000km走れるチェーンとか、実現できたらすごい新商品になると思うんですよね。
美味疾走なチョコだと思います(*^^*)。
完全な脱脂ですが、自分はDiscブレーキのpadが
油脂汚れで効かなくなる度に。。。
パーツクリーナーで良く洗い用意した
焚き火用一斗缶の中に投入、着火して脱脂しています。
チェーンも同じくで、綺麗に脱脂可能で楽しいです。
>♪さん
着火ですか!?
確かに一番確実かもしれませんね。。。
我が家では、奥様に全力で止められそうです。。。