近年ユーザーが増えつつあるワックス系チェーン潤滑剤をターゲットに、新しいチェーンクリーナーが登場しました。
これですよ、必要なのは。
完全脱脂を目指したチェーンワックスの為のクリーナー(Muc-Off Chain Wax Cleaner)

近年、圧倒的な駆動抵抗の軽さと汚れにくさでロードバイク・グラベルロード界隈のトレンドとなっている「チェーンワックス」。
私がロードバイクを始めた頃には、一部の「物好き」ローディーがアウトドア用ガスコンロに載せた缶を火にかけて、ぐつぐつチェーンを「煮る」という、とても「濃い」メンテナンスという印象でしたが(失礼)、インドアトレーニングが一般化し、ロードバイクのギアも12速、13速と多段化が進む中、より低抵抗をクリーンな状況で実現する製品として、チェーンワックスが注目されるようになってきました。
私も、ワックス初心者向けということでまずは Squirt Dry Lube でワックス系のドライルブに初挑戦。

その後、がっつりワックスにもチャレンジ、今ではすっかりワックスの虜です。


しかし、ワックスの性能を100%引き出すために最も重要でありながら、最もハードルが高いのが「施工前の下地作り(完全脱脂)」です。
Silca のシステムだと、完全脱脂から全て「込み込み」となっていますが、なかなかフルセットで揃えるのはハードルが高いのも事実です。
そんな悩みを解決すべく、ケミカル界のトップブランドMuc-Off(マックオフ)から、ワックス施工前処理&メンテナンスに特化した専用クリーナー「Chain Wax Cleaner(チェーンワックスクリーナー)」が発売されました。
興味津々。
なぜチェーンワックス「専用」クリーナーが必要なのか
オイル系ルブとワックス系ルブでは、金属に定着するメカニズムが根本的に異なります。
- オイル系ルブ:金属表面に液状の油膜として馴染む
- ワックス系ルブ:完全に脱脂された「金属の素肌」に直接引っかかることで固形膜を作る
そのため、チェーンのコマ内部や表面にわずかでも油分や保護膜が残っていると、ワックスが金属に密着できず弾かれてしまいます。結果としてワックスが走行中に剥がれ落ち、本来の静音性や防汚性が得られなくなってしまうのです。
この「完全脱脂」というのが、実際にメンテナンスされている方であればご理解頂けると思いますが、なかなかに難しいんですよね。
メンテナンスガチ勢であれば、超音波洗浄機を導入して油脂をがっつり落としたりするのですが、なかなかそこまで機材を購入するのは難しく。
コスト面もそうですが、そういった「物」が増えていくと、奥様からの目線が厳しくなってくるんですよね・・・。
今回登場した「Chain Wax Cleaner」は、まさにこのワックスを完璧に定着させるための完全脱脂に特化して開発されました。
従来のクリーナーとの違いについて
分かりやすいところで、Muc-Offにはすでにベストセラーとも言える「Drivetrain Cleaner(ドライブトレインクリーナー)」が存在しているわけですが、何が違うのでしょうか。
両者の違いはこんな感じ。
| 項目 | Drivetrain Cleaner(従来品) | Chain Wax Cleaner(新製品) |
|---|---|---|
| 主なターゲット | オイル系ルブ / 一般的なドライブトレイン洗浄 | ワックス施工車 / ワックス導入前の完全脱脂 |
| 洗浄後のチェーン状態 | 防錆・皮膜保護のための薄い微保護層が残る | 油膜を一切残さない「完全脱脂」状態 |
| 目的・メリット | 汚れを落としつつ、次に挿すオイルの浸透を促進する | 皮膜・油分を極限まで排除し、ワックスの密着力を最大化する |
| 頑固なワックスカス | 落とせるが時間を要する場合がある | スプレーした瞬間に固形ワックスを液化して溶かし出す |
ポイントは「薄い防錆皮膜すら残さない」点ですね。
ロードバイクに乗っていて、「あ、ぼちぼちチェーンのオイル(ワックス)が切れてきたな」という時って、チェーンが「ギシギシ」鳴り始めると思うのですが、まさにチェーン全体をあの「ギシギシ」状態に持っていってくれるわけです。
で、この状態で水分が付着すると一気に錆びてしまいますので、通常のディグリーザーやクリーナーでは、洗車後の防錆を考慮し、洗い上がりにうっすらと保護成分が残るように調整されているものが多くなっています。しかし、ワックス施工においてはその保護皮膜でさえ邪魔になってしまうわけで。
完全脱脂まで持っていってくれるのが、この製品の特徴となります。
「Chain Wax Cleaner」の主な特徴とメリット
固化したワックスを液化してくれる
チェーンワックスクリーナーを使うと、固化したワックスのカスを瞬時に「液化」して溶かしてくれるとのこと。
Muc-Off 公式によると、すでにワックスを施工して使い込んだチェーンに吹きかけると、コマの奥に溜まった黒ずんだワックスカスがスプレーした瞬間に柔らかくなり、サッと液体化して流れ出てくるとのことで、なかなかに強力そうです。
比較的ワックスは水に弱かったりするので、ゴシゴシブラシでこすれば綺麗にできるのですが、このクリーナーを使えばゴシゴシと力強くブラッシングする必要すらなくなる模様。
本当なら、楽ちんですね。
新品チェーンの「防錆グリス」も除去可能
これも大きなメリットになるかと思いますが、新品購入直後のチェーンには、防錆グリスがべったべたに塗りたくられています。
このクリーナーは、その防錆グリスも一発除去してくれるとのこと。
私が愛用している Silca のチェーンワキシングシステムでは、この防錆グリスを除去する為の専用製品も用意されているくらいでして、完全脱脂するのがなかなかに難しいんですよね。

時々、「チェーンワックスに挑戦」といったブログ記事を見かけることもあるのですが、この防錆グリスの除去に失敗しているのかもしれないなー、と思わせるケース、結構あったりします。
こいつが完全除去されていないと、明らかにワックスの落ちは早いですから、通常は「どぶ漬け」系の洗浄を行う必要があるところ、このクリーナーで除去できるのだとすると、かなり喜ぶローディーは多いのではないでしょうか。
多彩な洗浄スタイルに対応(浸け置きOK)
公式サイトの記事を見ると、基本的にはスプレーで吹き付けて洗浄する書き方になっているのですが、Muc-Offの「X-3 Dirty Chain Machine」のようなチェーン洗浄器に充填して使うことも可能とのこと。
こいつ、私も愛用していますよ。

さらに、チェーンを取り外して容器での浸け置き洗いや、超音波洗浄機での使用にも最適化されているということですので、「どんな洗浄方法にも対応可能」と言ってもよさそうです。
環境に優しい生分解性
最後にオマケと言ったら怒られてしまいますが、環境に優しいで有名な Muc-Off。強力な脱脂力・溶解力を誇りながらも、Muc-Offの「Project Green」精神に基づき、水溶性かつ環境へ配慮された生分解性成分で作られています。
Chain Wax Cleanerを使った施工手順

以下はスプレースタイルで洗浄する場合の洗浄方法。
ま、ごく普通に洗浄すればOKだよ、という雰囲気ですね。
- スプレーする:ボトルをよく振り、チェーン、カセットスプロケット、チェーンリング、ディレイラー全体へ均一にスプレーします。
- 少し置く:約1分間浸透させます。必要に応じてブラシでこびりついた汚れを軽く浮かせます。
- 水で洗い流す:水でしっかりとすすぎ、成分と汚れを完全に洗い流します。
- 完全に乾燥させる:マイクロファイバークロス等で拭き取った後、チェーンを完全に乾燥させます。
完全脱脂されているため、濡れたまま放置するとアッとうまに錆びますので要注意。(過去、私もチェーン一本ダメにしたことあります・汗) - ワックスを施工する:ワックス系ルブを塗布(またはホットワックス処理)して完了。
まとめ
「せっかく高いチェーンワックスを買ったのに、すぐに剥がれて効果が持続しない…」
そんな悩みの原因の多くは、施工前の脱脂不足にあったりします。

新品チェーンからワックスがけする場合には、私の場合 Silca のワキシングシステムが揃っているので不要なのですが、ワックスを追加塗布するようなケースの場合、「いったんワックスカスを除去してしまいたいなー」というケースがあるのも事実でして、今までは中性洗剤でごしごしスタイルでやっていました。
ちょっとこのクリーナーは魅力的ですね。
次のAmazonのポイントアップで購入・・・しようかな・・・。

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